香港株式市場の頭打ち前によくある五大シグナル(一)

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香港株式市場の頭打ち前によくある五大シグナル(一)

[2017年12月5日]

十年の時間を経て、香港ハンセン指数はついに3万ポイントの水準へと突き進んでいる。香港株式市場の強気相場が盛り上がる中、最近は筆者周辺の多くの親戚や友人が、香港株式市場のいつが最高値となるのか質問してくるようになった。正直に言って、最高値を推測するというのは最も困難ことである。なぜなら市場の雰囲気は多くの要因から影響を受けるため、いずれか一つでも要因が変化すればマーケット全体の行方を左右してしまうからだ。それゆえに、最高値を予測するよりも、相場のトレンドに沿って読みすすめて行くしかない。総じて、株式市場が反転のシグナルを出す前に、皆が最高値や弱転を予想することは、すこぶるリスクの高い行為となる。

筆者の経験上、香港株式市場が頭打ちとなる前によくみられるシグナルが次にあげる五つだ。第一に、取引額が継続的に拡大。第二、弱気銘柄が追随し上昇する。第三、あらゆる人々全てが株式投資に参入する。第四、IPOへの反応が加熱する。そして第五は、好材料に対して相場の反応がなくなることである。

まず最近の香港株式市場の取引額を見ると、増加傾向となっているものの、「香港株大時代」の取引額が2千億ドルを上回ったことと比べると、最近の取引額は特別大きいわけではないため、高騰はまだ狂気的なレベルに陥っていない。市況は依然として理性的であり、香港株式市場はさらなる上昇の余地があると言えるだろう。

現在の香港株式市場の上昇曲線の特徴は、資金が一部の銘柄に集中していることがサポートとなっている。この現象により、多くの銘柄が今回の上昇の恩恵を受けることができておらず、中国移動(00941)が良い例だ。従来からの教訓では、その日の資金が弱気銘柄に流入していなければ、株式相場にまだ続伸の見込みがある。近年、中国移動は「藍灯篭(青ランタン:死者の家に掲げるものであることから、相場の下落シグナルの意味)」と見なされており、中国移動の「藍灯篭の効果」がいつ出現するのか様子見したい。

これまで、株式市場が急騰するたびに、普段株を買わない多くの人々までもが株式投資に参入し、いわゆる全民総株式投資という事態が起きていた。最近の上昇相場においても、普段投資をしないが株に突然興味を持ち始めている人々も確かに増えている。とはいえ、現在の相場がもう頭打ちの水準である可能性を懸念する人も少なくないため、現在は全民総株式投資という市況に達していないことがわかる。

まず三つのシグナルについての分析はここまでとし、残り二つのシグナルについては次回のコラムにて皆様と討論したい。

テンガード ファンドマネージメントディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

パトリック・シャム

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