香港株式市場はすでにA株化の動き

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香港株式市場はすでにA株化の動き

[2015年4月15日]

P1中国本土の公募ファンドが香港株への投資を緩和されたことに続いて、中国本土では少し前に保険資金による香港ベンチャーボード銘柄への投資も可能となった。続けざまの緩和が見られる状況は、中国政府が意図的に本土資金を香港株式市場へ流入させていることを物語っている。A株と比べ、香港株式市場は評価が割安であるため、中国本土の資金を香港株式市場に投資することで、本土投資家は潜在的なリターンを高めることができる。また同時に、本土投資家達へより多くの投資選択が提供されることにもなった。

“北水南調”(北部の水で南部の水不足を補う)かのような見通しの中、香港株式市場の取引額は爆増しており、長らく目にしなかった「大時代」の再来が思い起こされる。実のところ、上海・深セン両エリアの株式市場の取引額は一兆人民元を上回る動きで、本土の株式投資家が資金の一部を香港市場に配置換えする可能性を考えれば、香港市場の取引額が短期間で激増しても決しておかしくはないだろう。大きく資金が流入するマーケットに直面する際、投資家は例えマーケットに参与していなくとも、高値を推測するようなことは絶対に避け、逆張りにも手を出すべきではない。

中国本土の株式市場はこれまで小口投資家主導であり、彼らの銘柄選びは「実に大胆なやり口」が特徴で、市場価値の先細る銘柄が往々にして投機対象として高騰する。彼らにとって、それらの銘柄がファンダメンタルズによる下支えを有しているか否かは、さほど考慮する要因ではないのだ。香港株を買う本土資金が増加するにつれ、香港株式市場のA株化は避けられない。イースターの長期休暇が明けてから、香港株式市場の取引額はじつに過去最高額のレベルにまで増加し、一日当たりの上昇幅も目を見張るものとなった。加えて、何の関連性もなく全ての銘柄が高騰していることから、香港株式市場のA株化現象がすでに起こり始めている可能性が高いだろう。

ある投資家から「今が市場にエントリーするべきタイミングなのか?」といった質問を受けた。香港株式市場には今まさに多くの資金が流入しているため、エントリー資金がスローダウンさえしなければ、現在のエントリーも悪くないだろう。しかし、素早い対応が必要となることを肝に銘じておかなければならなず、ひとたび市場相場が逆転すれば、投資家はすぐさま離脱を迫られるだろう。言いかえれば、エントリーしたばかりの投資家は自分なりの離脱の指標を定めておくべきとなる。理解しておくべきは、株式市場の短期的な値動きはファンダメンタルズとは関係ないが、長期的に見れば、経済パフォーマンスと関連してくるという点だ。つまり、中国本土経済が下降圧力から脱せないうちは、中国・香港の株式市場が上昇するほど、バブル崩壊の可能性もまた高まるのである。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

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