- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2017年4月12日]
香港株式市場の第1四半期は明らかな好調を見せた。ハンセン指数の上昇幅は累計2千ポイントを越え、低下していた香港株にホットマネーが流入後、中国からの資金が香港株を買い付けたことなどが、香港株式市場の上昇要因となった。第2四半期に入り、第1四半期の強勢は続くのか?香港株式市場の行方はまたどんな要因で左右されるのだろうか?
主要業績発表期間が経過するにつれ、マーケットの焦点は海外要因に重点が置かれつつあるようだ。中でもアメリカの金利動向およびフランス大統領選挙結果に最もマーケットの注目が集まる。最近、米FRB委員から度々利息動向に関するコメントが発表されており、今年の利上げが3回以上に達するとみる声や、通年で3回の利上げが適切だとみる声もある。今年の通期における利上げ回数予測が引き続きマーケットの主要議題となっていることから、米FRBの発するシグナルが常に株式市場へ変動をもたらすこととなろう。マーケットの予想では、米FRBが6月に再び利上げを行うとみている。
今年はヨーロッパの多くの国々で選挙が行われるが、中でもフランスでは4月末と5月初旬に2回の選挙が行われる。マーケットの関心はブラックスワンとなる出来事が再び現れるかどうかにある。近年は、ヨーロッパ全般で「EU懐疑論」や「反EU」のムードが蔓延しており、世界的な保護主義やポピュリズム台頭の下、フランス大統領選挙において、予想しなかった結果が出てきても、まったく不思議なことではない。フランスは欧州連合とユーロ圏の主要構成国であり、もしも「反ユーロ」陣営が勝利となれば、フランスのEU離脱懸念で、金融市場に大幅変動が出る恐れがある。フランス大統領選が不確定要因となる中、4月後半の株式市場はリスク回避ムードの影響を受ける可能性があるだろう。
上述要因に注意するだけでなく、中国本土の資金動向も軽視することが出来ない。主要業績期間が過ぎ、続いてやって来るのが企業の第1四半期業績発表である。中国資本企業銘柄の四半期業績に乗じて、中国本土資金が投機的動きとなる可能性は排除できない。しかし、第1四半期の上昇を経た後、H株とA株の価格差は既に大きく収斂している。また、人民元為替もここ数週間落ち着いてきており、中国本土の資金が第2四半期に香港株を買い付ける意欲は第1四半期ほど強いものにはならないかもしれない。
総じて、第2四半期における香港株の値動きは底固めの調整基調が主となろう。
テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。
証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。
香港強制性公積金計劃管理局 (MPFA: Mandatory Provident Fund Schemes Authority) の正規取扱代理店です。
香港保険業監管局 (IA: Insurance Authority) に正式登録されているライセンス保有代理店です。