- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2017年6月28日]
昨年、香港に「ポケモンGO」が上陸した際、筆者の身近な友人や同僚などはすぐさまダウンロードし、街中でも瞬く間に数多くの「低頭族」(スマートフォン操作に夢中になりうつむいた姿勢の人々)があちこちでモンスターを捕まえていた。「ポケモンGO」の成功は2つのポイントに集約できる。まず一つ目は、ゲームの主役が有名なアニメの登場人物であるため、プレーヤーの共感を煽りやすいこと。そして二つ目は、ゲームシーンがプレーヤーの身近なロケーションであるため、臨場感が生まれやすいことだ。
一年が経過し、「ポケモンGO」のブームも冷めてきたが、現在でも時折街中でプレイを続けている人を見かける。老婆心ながら言わせていただくと、国外ではプレイ中の事故が起きたこともあるため、プレイの際にはよく注意して、事故が起きないようにしてほしい。「ポケモンGO」ブームは来るのも去るのも早く、ゲームプレイヤーの忠誠度が低いことを物語っており、これもゲーム関連銘柄への投資の主要リスクと言える。一般的に、市場競争が熾烈になるほど、ゲームのライフサイクルはより短くなる。ゲームのライフサイクルを伸ばすには、ゲームデベロッパーは絶えずゲーム内容を豊富にしていかなければならない。
ゲーム自体と比べると、ゲームで採用されているテクノロジーのほうが往々にしてさらに長いライフサイクルとなりうる。「ポケモンGO」ではAR(拡張現実)の技術が採用されており、リアル環境とバーチャルキャラクターの組み合わせがゲームの一大特色となっている。「ポケモンGO」の成功で、AR製品に対する市場の信頼度が高まっており、昨年傘下のAR製品を商業化に踏み切った企業も存在する。ゲーム以外にも、AR技術はトレーニングや教育、医療、工業などの領域で応用され、AR市場の規模は2024年に1,000億米ドルを上回ると予想される。
ARはVRよりも早くに出現した技術だが、これまでずっとVRの方がARを凌ぐ勢いであったところ、「ポケモンGO」の出現に至ってようやく逆転が見られた。実際のところは、ARとVRの技術それぞれに特色があり、前者は人にリアル感を与えることが可能で、後者は無限のクリエイティブ空間を提供できるため、両者は互いに不足を補う事ができるのだ。目下の開発ペースからすると、AR・VR技術は将来的にスマート製品およびテクノロジー活用の重要な構成要素となるだろう。
テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)
証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。
香港強制性公積金計劃管理局 (MPFA: Mandatory Provident Fund Schemes Authority) の正規取扱代理店です。
香港保険業監管局 (IA: Insurance Authority) に正式登録されているライセンス保有代理店です。