- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2014年4月24日]
上海と香港の株式市場における相互乗り入れ制度「滬港通」の出現により、新たな発展のチャンスがやって来る。一般的に、両エリアの株式市場の出来高は新システムの開始後、ある程度上昇すると見られている。言い換えれば、両地の取引所で相互乗り入れ制度のメリットを享受する事になろう。改革が進む中、中国本土の株式市場が国際市場と統合する事は非常に重要な一環だ。「滬港通」はまさにA株が国際舞台に向かうための踏み台であり、香港証券取引所(00388)はA株を国外へ導く役割を担っている。これにより、「滬港通」の実施は極めて深い意味を含んでいる事が分かる。香港証券取引所の責任は重大で長い道のりになると見られ、もしA株国際化の流れを成功させることができれば、香港証券取引所の将来性は計り知れないものとなろう。相互乗り入れは深セン証券取引所の参与が未だ無いものの、改革開放の考えに基づけば、「深港通」の実施も時間の問題であろう。
香港証券取引所のほか、中国本土未上場かつ本土投資家によく知られている企業であれば、香港株式市場に上場する銘柄は「滬港通」のメリットを享受できる可能性が有る。中国移動(00941)やテンセント(00700)を例に挙げると、これらの企業が提供しているサービスは中国本土の住民に日常的に利用されており、接点の多さから比較的深く理解されている状況にあることから、中国移動とテンセントは今後中国本土の株式投資家のターゲット銘柄となろう。国際的企業に属するHSBC(00005)や和記黄埔(00013)、友邦保険(01299)では、ブランド効果及び世界各地へのサービス展開がセールスポイントとなろう。また、A株・H株間での価格差が大きい銘柄が存在しており、こういった「AH価格差」銘柄でも高騰が見られているが、あまりにも価格差が大きい場合はリスクが極めて高い。
「滬港通」の開始に伴い、香港における証券会社のビジネスは成長の見込みが有る。現在、香港の投資家はH株で上場していないA株への理解がさほど多くない。A株取引に対する香港の投資家の興味を高めるべく、香港の証券会社はプロモーションを強化しなければならない。つまり、「滬港通」のメリットを享受する前に、香港の証券業界はまず投資を拡大し、A株専門の研究部門を増設もしくは拡充する必要があるだろう。中国国営の証券会社と比べ、中国資本を背景に有する香港の証券会社のほうがやや優位的であろう。
テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。
香港強制性公積金計劃管理局 (MPFA: Mandatory Provident Fund Schemes Authority) の正規取扱代理店です。
香港保険業監管局 (IA: Insurance Authority) に正式登録されているライセンス保有代理店です。