- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2018年11月8日]
中国の第3四半期における経済成長率はわずか6.5%と市場予想を0.1ポイント下回り、中国景気への下降圧力を反映している。分類別にみると、第3四半期の工業生産と消費は前年比でそれぞれ5.8%と9.2%増加したが、前者は予想を下回り、後者は予想を上回った。米中の貿易戦争が激化する中、受注減少は製造業の成長を鈍化させることが予想される。したがって、第3四半期の工業生産が予想を下回ることは驚くべきことではない。第3四半期については、消費の伸びは予想以上に良好である。これは貿易戦争が価格の上昇を引き起こすことを消費者が懸念し、消費を早めていることに関連しよう。
先行きを見ていくと、貿易戦争における最悪の時期がまだ到来していないため、米中関係が突如改善されない限り、中国の経済成長はさらに鈍化する可能性がある。先立って、米国は再び総額2000億ドルの中国製品に対して10%の関税を課し、来年1月1日からは税率を25%に引き上げる。この関税率引上げは中国経済への圧力を増すこととなる。経済への下降圧力を緩和するため、中国では預金準備率の引下げやインフラ投資の増加を含む緩和政策を既に導入している。しかし、これらの政策が効果を発揮するまでには時間を要することになる。
米中関係が改善できるかどうかという点では、中間選挙の結果と米国株式の動きが一定の影響を与えよう。アメリカでは11月6日に中間選挙が行われる。 世論調査によると、多くの州で共和党の支持率が民主党に遅れをとっているが、民主党のリードは縮まってきている。共和党が選挙で敗北すれば、トランプの対中国政策が収束に転じるかもしれない。反対に共和党が勝利すれば、トランプは中国に対してより厳しい政策を採る可能性もあろう。
株式市場において米国株の評価は低くないが、貿易戦争により企業利益に圧力がかかるとなると、米国株が更に下落する可能性がある。実際、米国株の先日の急落が既に警告している。トランプ氏は米中貿易戦争を始めた者であるため、米国株の大幅下落がトランプ氏への圧力を高めることになれば、彼が対中国政策を再検討するかもしれない。いずれにしても、米中関係に明るい光が差すまで、中国と香港の株式市場が劣勢を脱するとは言い難い。
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