- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2022年9月6日]
今年2月のロシア・ウクライナ戦争後、欧米がロシアに対して経済制裁を行い、関連する大型ファンドの価値はいったんゼロになり、今なお開放されていない。先月は台湾海峡でも摩擦があり、中国の関連当局が台湾独立企業に対する貿易禁止手段を直接行使した。 政治的摩擦に伴う経済的リスクは大きく、バイナリーのように「1」か「0」かの二者択一になっている。
以前も述べたが、欧米と中国の駆け引きによって、両市場の差異はより顕著になるものの、今後の経済成長の大まかな方向性さえ掴めば、投資家は儲けることができる。 注目すべき点は2つ。まずは、資産の脆弱性を避けることだ。つまり、1から0に価値が変化する確率が高い資産を保有しないように心がけること。つまりは、投資する市場を正しく選択することが大前提となる。 現在は、政策環境が比較的に穏やかな中国A株と香港市場を中心にポートフォリオを弊社では構成している。では、中国市場の方が穏やかだとみなすのはなぜか?
例えば、台湾海峡の問題だが、ペロシ氏訪台の夜、海外メディアは一度、口ばかりで行動が伴わない中国の強硬姿勢を非難したことがある。 しかし、これが一番適切な対応ではないだろうか。第一に、自国の領土で戦うことは、敵に千の損失を与えても、自軍に八百の損害が出る下策である。2019年の香港デモにおいて、香港に駐屯する中国人民解放軍を動員しないことを主張したことと同じである。第二に、二者が戦う際に、最初に攻撃した側が間違っていよう。もし、本当に発射していたら、道徳的な立場を失っていただろう。元々隠され発言されなかった「台湾独立・親米傾向」に比べ、今のように、オープンな場で議論されるのも良いし、論争や威嚇することすらできる。各陣営から明かされる情報が出て来ればくるほど、情報量のバランスが取れた把握が可能になるだろう。
国際政治の摩擦が続き、内需の消費意欲が減退している。もし、長期保有が「変化しないまま変化に対応すること」だと考えると、手にある資金は、価値が下がるか、量が減るかの2つの結果しか得ることができない。だからこそ、私たちはテクノロジーセクターにフォーカスを持ち続けている。業界の構造的な成長の真只中にある補助的テクノロジーの関連銘柄が、投資家により優れた資産の柔軟性を提供している。
また、台湾に対して中国が現在行っている一連の経済制裁は、具体的な被害というより警告に近いものであることがそれを表している。 漁夫の利であり、政治的にも中央銀行の金融政策的にも、中国の経済環境の変化は投資家にとってより安定的なものだ。そのため、世界経済の変動に対処するためのより優れた選択肢となっている。
戦争が起きないからには、欧米と中国は台湾での駆け引きに、どのような利益を追求しているのだろうか。 ここで、注目すべきが第2点目である。この先の経済成長の主要な原動力についての発言権を、誰が持つか、ということだ。今後5年ほどは、VR、スマートホーム、自動運転、メタバースなどといった生活に密着したテクノロジーの活用が最も価値ある投資と言える。これらは、長期投資家が注目できるセクターだ。生活のデジタル化はコロナ禍以前から始まっており、携帯電話やパソコンなどの従来のエレクトロニクスの高度化、自動車や医療、太陽光発電の蓄電など、半導体と切り離せない新しいエレクトロニクスの需要が急増している。半導体チップ加工市場の半分を占めるTSMCの技術力とグローバルな産業チェーンが、その最大のインセンティブとなるだろう。
証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。
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