四中全会と滬港通による厄払いに期待

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四中全会と滬港通による厄払いに期待

[2014年10月10日]

20141010_patrick.jpg(資料ソース:経済通)ハンセン指数

香港民主化をめぐる「佔中(オキュパイ・セントラル)」が発生し、TVでは人々の不安な様子がうかがえる。現在の情勢を緩和するには、双方が改めて誠実な対話を行う必要がある。さもなくば、政府と市民の争いはいつまでも終わる事無く、中国中央政府、香港政府そして市民のすべてが敗者となってしまうだろう。「佔中」にあえぐ中、ハンセン指数は250日移動平均線を割りこみ、今後の相場がどのように発展するかは情勢変化に左右される。政治環境が瞬く間に変化しており、ひとたび株式市場に政治の影響が出始めると、株式市場の先行き予測は更に困難となる。情勢が明らかになるまで、投資家は慎重な姿勢がのぞまれる。

実際のところ「佔中」発生前には、香港株と香港ドル為替ですでに弱勢が見られていたが、これは米ドル強勢による資金の流れが主な要因であったため、「佔中」の発生はこの弱勢を加速させただけなのだ。「佔中」が長期化した場合、「佔中」が株式市場に与える影響は心理的な重石がより大きくなるだろう。米ドルが強勢へ転じた要因が、米利上げに対する市場の見解であるため、現在市場は米国が来年利上げを行うと確信している。こういった状況から、米ドル相場は強勢を維持し、香港株式市場の弱勢は一定期間続くと見られる。

多くの不確定要因が懸念される中、香港株の投資雰囲気は理想的とは言えず、今のところ間もなく開かれる四中全会(中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議)や、1カ月以内にスタートする「滬港通(上海香港ストック・コネクト)」が好材料となり「厄払い」できる可能性が期待される。最近の関連指標では、中国経済が下振れリスクを脱していない事が示されており、市場は四中全会を機に中国政府が再び経済刺激措置を発表する可能性に期待を寄せている。もし措置の発表があれば、香港株式市場は反発の見込みがあるだろう。

米ドルの強勢が資金流出を触発しつつ、一方では「滬港通」が香港株式市場への資金流入を促している。現段階で「滬港通」が香港株式市場にどれほどの資金を呼び込めるのかは予想が難しいが、「滬港通」の開始によって、米ドル上昇がもたらす圧力の緩和を少しは後押しするであろう。「滬港通」開始前後に、関連銘柄が再び高騰する可能性があり、投資雰囲気にも改善の見込みがあろう。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム

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