香港株式市場のお祭り騒ぎは継続か

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香港株式市場のお祭り騒ぎは継続か

[2015年4月21日]

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香港株式市場は連日記録的な出来高を更新しており、資金が市場に激しく流入する光景は、実に驚嘆させられる。あわせて、香港ドル相場が対米ドルで変動上限に近づいており、香港金融管理局(HKMA)による資金注入が注目されていることから、今後も香港への資金流入が続くと見られる。資金が氾濫する株式市場の今後の相場は、大幅上昇しつつ利益確定売りの圧力も少ない見通しだ。中国本土の投資家にとって、香港株式市場は非常に魅力的なマーケットの一つであり、そのメリットは三つ挙げられる。まず第一に、制限値幅によるストップ高やストップ安が無いため、本土投資家は思いきり投機的な動きができる。第二に、香港株式市場は「デイトレード」が認められており、本土投資家は毎日利益を確定しポジションを計上できるため、翌日まで保有するリスクの心配が無い。そして第三に、香港株式市場の評価額がA株よりずいぶんと低く、潜在的な上昇の可能性があることからA株よりも有望視されている。

香港株式市場の取引額激増の要因は、まず一つが北部(中国本土株市場)からの資金の南下であり、その他の要因としてはファンドによる買い増しや、香港側の小口投資家による便乗エントリーも含まれる。南下資金が香港株式市場を高騰させるにつれ、ファンドの運用成績が競合相手よりも劣ってしまう事態を免れるべく、配置換えしていなかった機関投資家が市場エントリーと買い増しに迫られている。このほかにも、加熱を続ける市場の雰囲気が、小口投資家による買い増しの追随も刺激している。香港株式市場は、過去長期に渡りパフォーマンス不調であったため、機関投資家も小口投資家も一定量の現金をストックしていたが、大勢が買い増しを追随する中で、取引額を著しく増加させている。ここ数年では、香港の不動産市場が好調に上昇し、不動産価格の上昇幅は株式市場の上昇幅よりもはるかに大きかったのだが、株式市場が勢いを取り戻すに従い、加えて不動産価格は高水準に達している事から、資金が不動産市場から配置換えされる可能性をぬぐえず、もし資金が不動産市場から株式市場へ流入した場合、香港株式市場の取引額は更に増加となる可能性があるだろう。

先日は、香港取引所の李小加(チャールズ・リー)CEOが香港株式市場の出来高増はただの始まりに過ぎないと語り、財政司長が株式市場にまだ爆破の可能性は見られないとしている。財政金融界の主要人物たちもまだ誰一人として市場先行きに懸念を示しておらず、香港株式市場の現在の狂喜的なお祭り騒ぎは今後も継続すると見られる。筆者の見解では、まだ多くの小口投資家が相場に警戒心を持っており、全ての人々がマーケットに参与しきった時がお祭り騒ぎの終焉となるのかもしれない。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

 

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