2016年の香港株式市場は内憂外患か

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2016年の香港株式市場は内憂外患か

[2016年1月12日]

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新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、2016年の投資が順調となりますよう、また健康に過ごされますようお祈り申し上げます。

さて、2016年初取引日を迎え、新発表の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)がここ三カ月の最低値となったことを受け、人民元が続落、サウジアラビア・イラン断交など多数のマイナス材料が影響し、香港ハンセン指数は700ポイント近くの大暴落となった。これまでの例で、香港株式市場の1月の動きはその年一年間の動きを予兆する「風向計」とも言われ、1987年~2014年にかけ、「1月の市況結果」と「初日の市況結果」での適中率はそれぞれ64%および71%となっており、単に「初日の市況結果」だけで推測したとしても、今年の香港株式市場は70%以上の確率で下落相場を記録する可能性があるだろう。事実上、2016年の香港株式市場は確実に投資困難な状況と言え、内憂外患が今後も香港株式市場の重石となろう。

内憂の面では、昨年より香港の小売市場が冷え込んでおり、加えて不動産価格にも調整圧力がかかっていることから、香港の経済成長の減速はすでに確然たるものとなっている。外患の面では、米国が昨年末に利上げを開始しており、もし現地経済が安定を維持できれば、FRBが今年更なる利上げを行う可能性がある。現在のような資金に余裕が見られる環境で、香港は今のところ利上げを見送れるものの、大規模な資金流出が起きた場合には、香港でも利上げ需要が出てくる。ひとたび米国に追随し利上げを行えば、弱化する香港経済にとって弱り目にたたり目となろう。利上げ要因のほか、中国本土経済で弱勢が続いていることも外患の一つだ。構造改革による明らかな成果が見えてくるまで、中国本土経済の現在の弱勢も継続する可能性が懸念されている。中港の経済関係は密接であるため、本土経済が好調といかなければ、香港経済は独りよがりな動きをとるわけにはいかない。

多くのセクターの中でも、筆者はIT関連銘柄をやや有望視している。なぜならこの種の銘柄は、中国本土経済の構造改革という重要な任務の後押しを担っているからだ。今年は 第13次5カ年計画(十三・五、2016~2020年)の新たな5年がスタートする年であり、新経済産業を育て発展させることが重要な国策となっている。新旧経済が入れ替わっていく過程で、多くの従来型産業に従事してきた企業は、新たな段階への事業引き上げにモバイルネットワーク技術を活用しており、モバイルネットワークの応用が更に拡大されていくと予想する。

    テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

 

 

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