下半期の投資環境は依然困難に

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下半期の投資環境は依然困難に

[2016年7月6日]

 

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2016年も折り返しとなり、上半期を振り返ると、世界中の金融市場に変動が見られ、予測が難しい市況の下で利益を生むことが容易ではないのは確かだと言えよう。下半期の世界の投資環境にいたっては、上半期よりも明確な見通しが立たず、投資判断を行う際、投資家にとって「周到かつ慎重に」といった言葉が依然重要となる。世界経済を総合的に見ると、筆者は「半生不死」(半死状態)と形容できる。効果的な経済政策を欠く中、世界経済がより強い成長の勢いを回復するのは口で言うほど容易なことではない。米FRBは少し前に今年と来年の米国経済成長見通しを引き下げており、衰弱する経済がこの先も株式市場のパフォーマンスを制限してしまう可能性がある。

経済動力が減速するほか、バブル問題も「時限爆弾」となっている。2008年からこれまで、世界経済は相次いで金融恐慌、欧州債務問題、中国経済下振れ圧力などのダメージを受けており、経済を安定させるため、いくつかの国ではなりふりかまわず超量的金融緩和を実施し、過剰に溢れた遊休資本が多くの国々で不動産高騰問題をもたらしている。そのほか、欧米日などの国々の量的緩和策により債券市場にもバブルを招いている。もし米国が金利正常化を推し進めれば、不動産市場と債券市場におけるバブル崩壊の危機が懸念される。

近年の成長を経て、皆すでに超量的緩和政策だけに頼って経済を救済してきたことや、主要な経済体が連携して改革案を打ち出してきたことを知っている。改革の志を立てることは本来よい事であるものの、実際に行動する場面になると、改革はすぐさま動きが鈍いものへと変質してしまう。いかなる改革であれ、どうしても一部の者の利益を損なわせることになってしまうため、利益に基づいて考慮し、利害関係者とどのように容易に改革に取り組んでいくのか、こういった点がスムーズに改革が進まない主な要因となってくる。このほか、改革の効果は通常長い期間を経てようやく見えてくるものであるが、大部分の政治家が短期的視点ばかりで、改革が誘発する経済陣痛は統治者の圧力となる。ゆえに、政権の安定を守るため、改革の多くが最終的に空論へと成り果てる。世界経済が現在の「半生不死」の難局を脱せるか否かのキーポイントは、主要国の指導者が目先の低い利益を手放せるか否かにかかっている。

 テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

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