- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2016年9月20日]
最近の米国株は輝かしいパフォーマンスを見せており、米国主要3指数が何度も最高値を更新しているが、中でもナスダック総合指数は最も注目すべき価値があろう。2000年のITバブル崩壊前、ナスダック指数のPER(株価収益率)は100倍以上をつけていたが、現在は24倍ほどにとどまり、今日のナスダック指数にはもうバブルが存在していないことが分かる。事実上、ITバブルが弾けた後も生き残ってこれた企業は、大部分が実業ある企業であり、また多くの企業が収益能力を備えているため、ITバブル再来の可能性はさほど高くないと言える。これまで十数年で、ハイテク活用の普及により私達の生活は変わった。もしスマートフォンあるいはインターネットの使用を一日でも禁止した場合、多くの人々が居心地の悪さを感じるであろうと筆者は確信している。ハイテクと生活はきっても切れなくなってきており、ハイテク産業も積極的に発達しつつあるため、ナスダック指数の最高値更新は道理にかなっていると言えよう。
ソーシャルメディアやモバイルネットワーク、ショッピングプラットフォームなどが台頭し、近年における従来型産業の挑戦はより激化している。遅れをとらないよう、従来型産業は次々とハイテクの助けを借りて現状打破に挑んでおり、ニューエコノミーがオールドエコノミーを牽引することが世界経済成長の新たな傾向となっている。製品普及を例に挙げると、これまで伝統的な企業は伝統的なメディアの広告を採用して販売してきたが、現代では、すでにインターネットがこういった製品を売りさばく重要プラットフォームと化している。その他、多くの歴史ある企業もオンラインビジネスプラットフォームの開発や、O2Oビジネスの開拓で、ユーザー層の拡大を図っている。
ハイテク株は実に数が多く、選択する際、投資家は銘柄が従事しているビジネスを基礎として考慮すべきとなろう。最近のハイテクの世界では、従事内容の供給や、ネットワークプラットフォームの運営および革新的アイデアを備えた銘柄が比較的好まれているが、比べてみると、従来型のハードウエアビジネス企業はやや見劣りしてしまう。ハイテクの成長速度はきわめて速く、今日大人気の製品であっても、明日には淘汰される可能性があるのだ。それゆえ、ビジネスの性質を見極めるほか、ハイテク企業が開発する製品が潮流をもたらすことができるか否かも、企業への投資価値に影響を与えるだろう。
テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)
証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。
香港強制性公積金計劃管理局 (MPFA: Mandatory Provident Fund Schemes Authority) の正規取扱代理店です。
香港保険業監管局 (IA: Insurance Authority) に正式登録されているライセンス保有代理店です。