香港株式市場に大幅上昇の再来はまだ見えず

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香港株式市場に大幅上昇の再来はまだ見えず

[2017年2月22日]

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最近、香港株式市場に再びホットマネーが流入している。市場の取引額は一時約1千億元にまで増加しており、市場に出回る資金が香港に係留する中国資本の資金であることがうかがえる。資金の出所は実証し難いものの、中国本土機関は香港に係留させている遊休資金を用いて香港株を買うことで、更なるプラスリターンを求めることも不可能ではない。近年、中国本土資金が香港において非常に活発に動いており、最も顕著に反映されている面としては、中国本土企業がますます多くの土地を高額で売買している。資本流出が日増しに悪化するなか、中国政府は関連措置を実施し他国への資金流出を阻止しており、規制対象には中国資本機関による越境した巨額投資も含まれる。資金が海外に流れてしまうくらいなら、中国政府はむしろ資金が香港株に投じられる方が良いと考えているのかもしれない。資金が少なくとも香港で動く分には、状況を把握しやすいだろう。

最近の香港株式市場のパフォーマンスを見ると、市場に資金の流入は見られるものの、市場全体の上昇局面とは言えず、資金の流れは、セクター別で連動し中国資本株の投機熱を高めている。この連動型の高騰が要因となり、また一方で重量級銘柄が資金の投機対象ではないこともあり、香港ハンセン指数の上昇スピードは、以前の資本市場よりも遅い。また市場の雰囲気や情勢で論ずれば、最近の香港株式市場と2015年の大時代の香港株式市場とは比べるのも難しい。2015年に好調を見せた香港株式市場の大時代を振りかえると、中国A株の狂気的高騰が牽引して香港株式市場は急騰した。A株バブルがはじけると、香港株式市場も高値から著しく反落した。中国本土は今年、引き続きレバレッジを解消し金融リスクを制御しなければならない。その上、米国は年内に2~3回の利上げを行う可能性があるため、最近の資本市場が、今後新たな香港株式市場の大時代を展開する可能性は高くないと言える。

ファンダメンタルズに重大な変化が見られないなか、香港株式市場はそれほど長く上昇トレンドを維持できておらず、もちろん全てはまだこの先の資金の動向を観察しなければならない。連動型の高騰は今回の資本市場の特徴だが、もしこの高騰形態に変化がなければ、相対的に後れて値動きがある株式もより高い収益率となろう。もしマーケットにおいて再び連動型の高騰が現れなかったり、出来高が反落してしまった場合、資本市場は調整基調を一巡する可能性があり、そうなれば香港株式市場は再び横ばいの動きとなろう。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

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