米国株は調整基調、中国は市場救済の動き

[2018年11月8日]

米国株は10月に7％以上下落し、今年のすべての利益を失った。中間選挙が近づくなか、企業利益は期待通りとはいかず来季・来年はより困難で不明確となっていく。米FRBの利上げは企業の資金調達への圧力を強めているものの、インフレや失業などの経済ファンダメンタルズは健全で、3つの主要なテクニカル指標は依然上昇している。今回の調整は米国株式市場を今のところブルからベア相場に転じさせてはいない。
一方で中国側は、中央政府が再び預金準備率の引き下げおよび市場安定への緩和の姿勢を見せたものの、上海指数が再び恩恵を受けている様子はない。市場では金融圧力や貿易戦争などの政治的要因および外的不確実性に依然悩まされている。市場の見通しにおいても、中米の交渉が回復をもたらすか否か要観察となる。

テンガードファンドリサーチアナリスト　ウィニー・リョン

ウィニー・リョン