株式市場は米中衝突が足かせに

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株式市場は米中衝突が足かせに

[2019年6月4日]

誰もが米中貿易合意が達成するとみていた矢先、米トランプ大統領は突如中国製品に対する追加関税の徴収を発表。このトランプ氏の突然の挙動により世界の主要株式市場で暴落が起きている。ここ数ヶ月、米中貿易交渉が合意に達することへの期待感から、中港株式市場の続伸が支持されてきた。この上昇トレンドは主に上述に基づく期待感によるものであったため、米中交渉に亀裂が入れば、すぐさま投資ムードが逆転してしまう。表面上、米中貿易戦争は経済事件だが、実情は米国が中国の成長を締め付けることが目的であり、両国が激しく対峙するなか、中港の株式市場の先行きは予測し難い方向へ向かっている。

 

ある分析によると、米国が2千億ドルの中国製品に対し25%の関税を徴収した場合、中国本土のGDPは0.9パーセントポイント減少する可能性があるとしている。もし米国がすべての中国製品から関税を徴収した場合、中国本土経済はさらに1.5パーセントポイント減少する可能性がある。当然、マーケットにおいても、たとえ米中が全面的な「開戦」状態になったとしても中国本土経済の成長速度のペースダウンはほんの数パーセントポイントであろうとみなす分析が出ている。今年の第1四半期において、中国本土経済は緩和の兆しがあったものの、米国からより多くの制裁措置が実施されるにつれ、中国本土経済回復の形勢が逆転する恐れが出てきた。米国がじりじりと追い詰めてくる中、中国はより多くの緩和措置で対応していくことが予想される。例えば、全面的に預金準備率の引き下げ、更なる減税や手数料の引き下げ、内需の刺激を更に強化する等が挙げられる。

 

米中貿易戦争が加熱する中、米国経済はとても利己的にはなれないはずで、中でも米国のインフレ加速がダメージの一つとなっている。加えて関税徴収によって米国企業の生産コストが増加し、企業がそのコストを消費者に転嫁し米国のインフレ圧力を高めることになるだろう。ひとたびインフレが激化すれば、米FRBは再度利上げの実施が必要となる可能性があり、これはおそらくトランプ氏の最も見たくない結果であろう。インフレ加熱が懸念される以外にも、米中関係の悪化が米国経済にもたらすマイナス影響も徐々に表面化している。5月の米国製造業およびサービス業PMIは50ポイント台にまで反落しており、すでに経済弱転の兆しがあることを反映している。経済先行きの弱転に直面し、資金はリスク回避の動きで債券市場に流れ込んでいる。もし米国経済鈍化のスピードが激化すれば、トランプ氏が中国に対する態度を軟化させる可能性があるだろう。

 

米国が中国に対して強硬な態度であるため、中国側も弱みを見せることなく、中国政府が対抗措置で反撃するとみられ、米中の対峙が激化することは間違いなく香港市場にとって好ましくない。米中の経済下落リスク拡大の足かせがある中、香港株式市場は最近30,000ポイントの高値から3,000ポイント以上反落しており、もし米中関係の緊張が続けば、6月の香港株式市場は引き続き底値を探る動きとなるだろう。

テンガード ファンドマネージメントディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

パトリック・シャム

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