米中不安の中、11月の香港株はアンダーパフォーム

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米中不安の中、11月の香港株はアンダーパフォーム

[2023年12月18日]

世界市場は依然として資本逃避の状態にある。香港株および中国本土株市場はセンチメントが主導しており、投資家心理は政治情勢に対してより敏感になっている。中国の株式市場にとって、米中情勢は最も強い影響力を持っており、2つの方向性と3つの可能性によってさらに変化するおそれがある:

2つの方向性:良い方向か悪い方向か

3つの可能性:a. 全面的な協力の回復、b. 限定的な競争、c. 制裁の維持または強化

この状況を好ましいと考えるにはどうすればいいのだろうか? 単純に5つの側面から状況を見て、改善案があるかどうかを確認すればいい。それは、軍事面での二国間協力、科学技術分野での共同研究開発、対外貿易における関税の撤廃、対外投資の敷居の拡大、国連やその他の多国間組織に対する立場の戦略的統一である。

今月のAPECにおける中国の習近平国家主席とバイデン米大統領の会談後、習氏の「ウィンウィンの協力」とバイデン氏の「友好的競争」を通じて、中米関係の異なる定義は、中米間の構造的矛盾が今後も続くことを明らかにした。

軍事問題では中米間での国防対話再開の一方、科学技術分野では米中協力協定が40年間継続も先行きが不透明。対外貿易の関税制限はまだ実質的に緩和されていないものの、製造業への外資参入制限は完全に解除された。また、環境保護や人権などの社会問題はさておき、地政学的紛争や同盟国の対外姿勢などについても意見の相違が根強く残っている。

少なくとも現在の進化傾向からすると、中国とアメリカの対立はますます専門的かつ具体的なものとなっている。 例えば、中国の小売大手「Shein(シーイン)」は最近、米国で上場を申請したことが明らかになったが、米国側は強制労働が関与した地域で製造された製品を販売していないことの証明のみを要求しており、同社は政策的対立を避けるため、生産の一部を中国の新疆ウイグル自治区からインドやベトナムなどの地域にシフトした。 サプライチェーンのリセットは、ディフッキングによってもたらされる放射効果であるが、産業チェーンの移転コストは最終的に最終購買者に転化されるため、「敵に1000、自身に800損害を与える」ことが判明している。

今年は米国株が牽引役となっているが、その背後に潜む危険性を無視することはできない。2024年の米大統領選挙後に政治姿勢が変化するかどうかの不確実性、米国政府の通貨兵器化による富の収奪効果、深刻な内部赤字という諸刃の剣問題などがある。

その一方で、誰もが中国経済の底打ちを期待し、米国の大手機関投資家らも中国への投資の必要性を市場に促している。しかし、私たちは成長とリスクが隣り合わせであることを認識しなければならない。過去2年間、豊富な人的・物的資源を持つ中国市場は、その武器である資源を対策に転化し、地政学的紛争など外部からの影響に対する感応度やボラティリティの低さを示したが、同時に現地経済の流動性を低下させ、政策による景気刺激策の効果を発揮しにくくしている。 このため、テクニカル的には香港株は反発に転じているように見えるが、ファンダメンタルズに効果が現れるにはまだ時間がかかりそうだ。

フェー・チャン

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