米利下げは株式市場と経済にプラスとなるか?

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米利下げは株式市場と経済にプラスとなるか?

[2024年9月2日]

(イメージソース:stockcharts.com)

8月の市場で新たな盛り上がりを見せたのは、FRB長官が利下げを示唆した後の株式市場の復活だった。利下げはダイレクトに資本コストを削減するため、当然市場は歓迎する。しかし、陶酔感の裏で、株式市場は本当に上昇を続けるのだろうか?米国経済は本当に長期的に右肩上がりなのか?

その真相を探るには、参考としてより長期のチャートを見る価値がある。この目的を持って、1980年から現在までの米国2年物国債利回り(金利動向との相関性が高い)の月足チャートを参考とした。チャートから、米国の金利と景気の推移を見ると、いくつかの現象が見えてくる:

  1. 米国の2年債利回りは全体的に低下傾向にある。これは、米国が1980年以来、長年にわたって繁栄をもたらすために低金利に依存してきたことを意味する。これはまた、資本主義の下では、資本コストを効果的に引き下げることが最も効果的な方法であることも示している;
  2. 利回りのボラティリティが高まっているのは、経済の勢いが拡大していることを示すものだが、同時に経済がますます脆弱になっていることを示している。というのも、資本コストを効果的に引き下げることで、経済全体の規模は当然、より速く、より大きく拡大する。しかし、規模が大きくなればなるほど、経済のダイナミクスは鈍化するため、経済危機に対処するためには、金利をより速く変化させる必要がある;
  3. 利回りが青色の20日移動平均線を下回るたびに、このサイクルは延長され続けている。9月に利下げを行ったとしても、この傾向は続くと考えられ、数年後の利上げ圧力についてはあまり懸念する必要はないだろう;
  4. 金利のピークと下落はいつも、87年の株価暴落、ドットコムバブルの崩壊、リーマンショックなど、要らぬ経済現象が伴っている。したがって、今回の金利低下によってどのような危機が引き起こされるのか、様子を見極める必要があるだろう。

実際、金利が下がるということは、経済成長のための闘争が弱まるということでもあるという事実を無視して、金利が下がることは良いことだと考える人が一般的に多すぎる。人々は、毎年利益を上げて労働力が上がる会社と、利益を出さずに労働力の削減に依存することでしか生き残れない会社のどちらで幸せになりたいだろうか? 従って、世の中はある程度反復的で循環的であると考えるならば、今回の利下げ開始は、実際には次の経済崩壊が間近に迫っていることを示しているということになり、もはや今回の利下げのニュースに浮かれることなく、緊縮財政に備えるべきなのである。

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