- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2025年6月2日]
最近、日本政府が発行した20年ものの国債が大きな問題に直面しました。買いたいという投資家が急激に減り、過去10年以上で最も悪い結果の入札になってしまったのです。この出来事は、ただの一時的な問題ではなく、世界の金融システムに新たな混乱が起こるかもしれないという、危険な兆しを示しているのです。
これまで「安全な投資先」とされていた日本の国債ですが、最近は急に買い手がつかなくなっています。これは、会社がお金を借りようとしても、「リスクが高すぎる」と投資家たちが首を横に振っているような状況です。理由ははっきりしています。日本政府の借金は、国全体の年間の収入の2.5倍を超えており、首相ですら「かつて財政破綻したギリシャよりもひどい」と認めているほどです。さらに厄介なのは、日本銀行(中央銀行)がどう動いても難しい立場にあることです。もし国債の買い入れを今後も減らせば、市場でパニック売りが起きるかもしれません。一方で、以前のようにお金を大量に刷って国債を買い支えると、物価が急に上がったり、円の価値が大きく下がったりする恐れがあります。このように、どちらに進んでも問題が起こる状況は、世界の投資家たちの「日本は大丈夫だ」という信頼を揺るがせています。
日本の国債の問題が恐い理由は、それが「ドミノ倒し」のような連鎖的な影響を引き起こす可能性があるからです。この20年ほど、海外の投資家たちは、ほとんど利息がかからない円を借りて、アメリカの国債など高い利回りのある資産に投資するという方法をよく使ってきました。しかし今、日本でお金を借りるコストが上がってきたことで、このやり方が通用しなくなり、多くの資金が急に市場から引き上げられるおそれがあります。これは、2008年の金融危機のときと同じような混乱を招く可能性があります。さらに悪いことに、アメリカの国債も信頼を失いつつあり、世界で1位と2位の経済大国がそろって「借金に問題を抱える」状況です。その結果、世界中の金利が上がる可能性があり、家を買いたい人や、企業が事業を広げたいときのコストも高くなってしまいます。新興国では、通貨安となったり、借金が返せなくなるデフォルトとなるケースも出てくるかもしれず、世界全体の経済にさらなる打撃を与えるおそれがあります。
歴史を振り返ると、金融の混乱が起こるたびに、お金の流れや持ち主が大きく変わる「富の再分配」が起きています。今回の日本の例が示しているのは、通貨を大量に発行したり、借金で支えた景気は、いずれ限界が来るということです。一方、中国も課題を抱えてはいるものの、製造業のレベルアップや国内需要を重視する経済の仕組みは、より粘り強く安定していると見られています。たとえるなら、台風が来るときに頑丈な建物に避難するのと同じで、世界的な金融の嵐が近づいているときには、無理にリスクを取るよりも、より安定した土台のある市場に資産を移す方が賢明です。これは「破滅を予測している」のではなく、普通の人が自分の大切なお金を守るための現実的な行動なのです。
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