米国は経済先行き明確化後に利上げか

- テンガードホールディングスリミテッド

トップページ » スタッフコラム » 

スタッフコラム

米国は経済先行き明確化後に利上げか

[2014年10月20日]

pic1米FRBは先月のFOMC議事録を発表。今月の議会上でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を修正する可能性が示され、金利動向が明確化される可能性を意味している。FRBが量的緩和の終了予定を発表後、市場では絶えず米利上げ時期の予測が行われ、利上げ予測の変化が度々金融市場に著しい変動を誘発している。金融市場で誘起される不必要な変動を減らし、出来るだけ早く市場心理を落ち着かせる為には、FRBはFF金利誘導目標を修正し、金利動向を明確化させる必要があるのだ。

世界全体を総合的に見ると、世界経済の先行きは決して明るいとは言えず、米FRBの金融政策に影響を与えている。欧州では、多くの指標で欧州経済が再び衰退に歩み入る可能性を示しており、デフレと失業率の高さが経済回復の障害物となっている。中国に至っては本土経済が構造改革の段階にあり、この改革が将来的な進路となる。構造問題が解決するまで、中国経済は依然として下降リスクに晒されよう。EUは中国の最大の貿易相手であり、欧州経済の不振は中国経済にもマイナス影響を与える可能性が有るのだ。欧州及び中国のほか、日本経済も同様に理想的とは言えず、消費増税が経済に著しいダメージを与えている。比較して、米国経済の方が明らかに好調と言えるだろう。米国経済の現状を見ると、利上げはもともと道理にかなった納得のいくものであるはずだが、欧州・中国・日本等の経済不振は米国経済の足かせとなる可能性があるため、FRBは世界経済の先行きが好転した後にようやく利上げを採択するであろう。

リーマンショックの前であれ後であれ、米国は常に一番の勝者であることは、米国株は近年絶えず最高値を更新していることからも瞭然であろう。経済問題が発生すると、米国はドル安誘導等の手段で他国へ問題を押し付けてきた。そして経済が正しい軌道に回復してくると、四方八方の資金が再び米国へ流入し、金融政策正常化がもたらすダメージを相殺するのだ。FRBにとって利上げが切迫したものであるかはともかく、今後も米国が引き続き世界の金融と経済の秩序を主導することになろう。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム

Share on LinkedIn
Pocket

お知らせ

  • テンガードからのお知らせ
  • スタッフコラム
  • 株式市場関連
  • よくあるご質問
ダイヤモンド社発行『ダイヤモンドQキュー』にてテンガードが紹介されました!

証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。

香港強制性公積金計劃管理局 (MPFA: Mandatory Provident Fund Schemes Authority) の正規取扱代理店です。

香港保険業監管局 (IA: Insurance Authority) に正式登録されているライセンス保有代理店です。