- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2014年2月28日]
中国本土の1月の新規人民元建て融資は1兆3200億元に、社会融資総量は2兆5800億元に達しており、いずれも市場予想を上回る高水準となった。従来年明けは銀行がビジネスを競い合う重要な時期である為、融資データが年明けにやや高い水準となるのは正常な現象だと言える。しかし、中国人民銀行(中央銀行)は昨年敢えて金融引締め措置を行った形跡が明らかになっている事から、融資データの水準が高くなると予想される状況下で、中央銀行が更なる金融引き締めに踏み切る可能性が有る。偶然にも、融資データが発表された翌日、中央銀行が8カ月行ぶりのレポを実施していることから、まるで銀行に対し適度な融資に止めるよう警告しているかのようだ。
中国本土の銀行にとって、今年は間違いなく多難な一年だ。中央銀行が敢えて引締め策を行い、その上、金融市場の開放及び金融商品がデフォルトの流れを勃発する可能性を孕んでいる。これらの様々な要因はいずれも銀行業界の今年一年の発展を妨げることになろう。また、オンライン金融業界の出現によって、国内銀行は市場競争の激化に見舞われている。もし反撃に出なければ、国内銀行の預金は流失を続け、同時に融資コストをも上昇させ、融資による取引を減少させてしまうだろう。相反して、もし反撃に出たいのならば、国内銀行は、預金者により高い預金金利を提供するなど、さまざまな優遇を提供しなければならないだろう。優遇提供は銀行の経営コストを上昇させ、利益率を低下させることになるだろう。
今年に入ってから、中国本土は度々金融商品のデフォルトのニュースが見られ、近年人気が高かった金融商品が早くも「時限爆弾」と化した事を反映している。今なお多くの金融商品を購入した人々が「何もかも政府が助けてくれる」という心理状態であることから、ひとたび政府が現実的に「購入者の自己責任」の原則を実行すれば、将来的に投資商品の保有者はデフォルトによる損害を被ることになろう。リスクを低減するべく、銀行の預金をより保障力の高い保険商品に移す預金者も出てくるだろう。一月のデータを総合的に見ると、保険企業の保険料収入がおしなべて力強い増加を記録しており、資金が銀行の金融商品から保険商品に流れていることを反映している。
テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。
香港強制性公積金計劃管理局 (MPFA: Mandatory Provident Fund Schemes Authority) の正規取扱代理店です。
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