- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2017年8月2日]
7月の香港ハンセン指数はまたひとつ城を攻め落とす勢いで、出来高の増加ともバランスがとれる中、27,000ポイントを上方突破。今年に入ってからの伸びは確実に目を見張るものとなっている。1~6月にかけての6ヶ月続伸の後、多くの投資家は7月のハンセン指数が調整基調になることを懸念していたが、香港現地および周辺国においても7月に重大な要因がなかったため、7月のハンセン指数にはまだ調整圧力は見られない。8月に入り、ハンセン指数がトレンドを維持できるかどうか、キーポイントとしては2つの要因がある。まず第1は、米連邦準備理事会(FRB)の金利及びバランスシート縮小に対する見解。そして第2は、企業の業績である。
ハンセン指数が7月も続伸できたのは、イエレンFRB議長がハト派寄りの発言をしたことが要因の一つだ。このことから、米金利の行方に今なお香港株式市場の全局面を左右するほどの影響力があることがわかる。市場予想では、FRBが早ければ9月にバランスシート縮小を開始すると見ており、もしも当局が引き続き9月のバランスシート縮小を示すシグナルを発する場合、バランスシート縮小を理由に香港株式相場に圧力がかかることを懸念する投資家が出てくる可能性もあろう。そのほか、香港株式市場はすでに業績発表期に入っており、最近は、多くの企業が好業績を発表しており、重量級銘柄からの好業績発表さえあれば、ハンセン指数は業績を好材料視した更なる上昇の見込みがある。
ハンセン指数は今年続伸してきたものの、ブルームバーグ・データによると、株式市場全体では2割余りの株式だけがハンセン指数をアウトパフォーム、もしくはほぼ横並びとなっている。つまり、市場全体でおよそ7割もの株式がハンセン指数をアンダーパフォームしており、多くの投資家や筆者が、香港株式市場で利益を出すのは非常に困難なことだと語るのは無理もないだろう。事実上、今年に入ってから、資金の追随はハイテク関連や自動車関連、規模の小さめの本土不動産関連銘柄などから離れられず、出遅れ銘柄や押し目銘柄が偶発的に上昇しても長く続かない反面、強気銘柄はますます上昇を見せている。このような「強者がより強くなる」といった高騰モデルがすでに香港株式市場の新たな常態になっている。こういった高騰モデルが変化しない限り、さもなくば、投資家はまず強気株を選ぶべきとなる。もし銘柄選びで悩みたくない場合、投資家は一般的に指数のパフォーマンスにほぼ密着するETFの選択を考慮しても良いだろう。
テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)
証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。
香港強制性公積金計劃管理局 (MPFA: Mandatory Provident Fund Schemes Authority) の正規取扱代理店です。
香港保険業監管局 (IA: Insurance Authority) に正式登録されているライセンス保有代理店です。