米中金融戦争2.0

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米中金融戦争2.0

[2022年1月4日]

最近、米バイデン政権は金融分野で中国に対し総攻撃を仕掛け、トランプ時代の制裁措置を解除しないばかりか、前政権より制裁範囲を拡大している。バイデン大統領と習主席は年内に米中対話を行ったが、バイデン大統領はあることを言いながら、米政府は裏で別のことをしているようで、世間の認識を曖昧にし、密かに中国政府を何度か攻撃しているようである。バイデン大統領は典型的なアメリカの政治家の狡猾なスタイルで対応してきた。

トランプ前米大統領は在任中、まず中国に対して貿易戦争を仕掛け、中国からの輸入品に対する関税を引き上げ、米中政府が「第一段階貿易協定」に署名するまで3年以上交渉を続けた。中国の通信機器メーカーZTEとファーウェイは史上最も厳しい制裁を受け、欧米での存続をほぼ絶たれたかっこうだ。また外国企業説明責任法により外国企業は監査証跡を提供して検査を受けなければ上場廃止に直面するようになり、主に中国株を対象としている。トランプ前大統領の中国への高圧的な態度が、次第に米国の社会問題を引き起こすことになった。

バイデン政権は高インフレの抑制のためパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の再任を発表。2020年に無制限化した量的緩和に加え、米国の40年ぶりの高いインフレ率は、米中貿易戦争と米国国内の製造業にも起因している可能性があり、米国は国際貿易において中国に払わせたい対価だが、最終的に米国国内の消費者が負担することになる。バイデン政権は今年、国内のインフレを緩和するために中国製品の関税を引き下げようとした一方で、イエレン米財務長官は中国側への貿易ペナルティを強化する方針である。11月の米中ビデオ首脳会談でも関係改善が見られていない。

同時に、バイデン大統領の大型歳出法案は身内の反対によって可決が阻まれ、米国国民を養うために財務省の大きな財政支出がなければ、この国は大変なことになるだろう。バイデン大統領は、米中間の対立を煽り、投資と貿易のブラックリストの数を拡大し、米国に上場している中国株に対してより大きなリスク開示を要求することで、米国内の矛盾を国外に移そうとしているのだ。しかし、アメリカは今、国際的な地位が揺らいでおり、同盟国は離反し、米ドルは信用を失っている。陽動作戦が有効であるかどうかは、国際的に他の誰が協力するかによって決まるのだ。

 

メリー・ウー

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