中国が世界の製造業強国となるには

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中国が世界の製造業強国となるには

[2015年6月3日]

A1案の定、中国本土の政策攻勢が止まらない。間もなく中国本土と香港間のファンド相互承認システムが実施となるほか、少し前には「中国製造2025」(中国製造業育成10カ年計画)の行動綱領が正式発表された。「中国製造2025」綱領では、中国本土の製造業を徐々に高度化させ、世界の製造業強国の最前線に加わることを最終目標としている。改革開放の初期、中国本土では低賃金が謳い文句となり、世界各地の企業がこぞって中国での工場設立を進めたことにより、中国は「世界の工場」と呼ばれるようになった。長年に渡る急成長を経て、中国の生産コストは低くなくなってしまったため、各国の企業も次第にインドネシアやベトナム等などのより低コストな国へ工場拠点を移しつつある。情勢の変化に従い、中国が製造業の発展計画改正の必要に迫られている事は確実で、この先は、製品の「量」よりも「質」が重視されるべきであろう。

米国や、ドイツなどの西側諸国と比べ、中国は未だに国際市場で影響力を持つほどの自国ブランド製品を持てていない。製造業強国の最前線に加わるには、自国ブランド製品を発展させることが不可欠だ。これまで、メイド・イン・チャイナ製品はよく他国製品の模造品であると指摘されてきた。このため、中国が自国で研究開発した製品が誰かに模倣される時が来たとき、ようやく中国製造業が正式に強国の第一線に加われたと言えるだろう。中国はドイツの打ち出す「インダストリー4.0」(第4の産業革命)を採用していないものの、「中国製造2025」とインダストリー4.0の方向性は一致しており、いずれもITと先進製造業を連携させることによって製造業高度化の目標を実現させようというものである。

「中国製造2025」では「十大重点領域」に言及し、これには次世代IT産業や、ハイエンドのコンピュータ数値制御機械およびロボットなどが含まれる。「十大重点領域」の中でも、次世代IT産業がトップに挙げられていることから、情報産業が最重要であることが反映されている。事実上、中国政府は積極的にインターネットと他の産業が結びつく「インターネットプラス(互聯網+)」政策を推進しており、「ビッグデータ」の概念のもと、ITを活用して従来からのビジネスがモデルチェンジあるいは高度化することが、中国本土の経済発展の新しい傾向となっている。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

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