株式投資、長期保有は実質的要因の見極めを

- テンガードホールディングスリミテッド

トップページ » スタッフコラム » 

スタッフコラム

株式投資、長期保有は実質的要因の見極めを

[2015年11月10日]

1

ここ半年間、中港の株式市場は実にジェットコースター相場となった。相場が安定するにつれ、投資家達は改めて情勢をしっかりと観察できるようになってきた。中港の株式市場の上半期における高騰は、主に先行きへの期待感に基づくものであったが、期待の多くが幻に終わったため、当時の上昇相場は十分な実質的要因によるサポートを欠いていたと言えよう。率直に言ってしまうなら、先の見えない突然の人民元安や資本流出の動きにより、実質的要因によるサポートを欠いたA株の狂気的ブル相場は、その寿命が尽きる結果を迎えることになろう。株式市場の暴落に直面し、投資家は泣くも嘆くも無益であるため、まず相場暴落の経緯から学習した上でポジションを取り直すことが好ましいやり方と言えよう。

中港の株式市場はすっかり政策に左右される相場となっており、中国政府から政策が打ち出される度に、好感され往々にして政策関連銘柄が投機対象となる。しかし、長期的に好感状態が続くことはなく、その後は政策が如何に実施され、期待される効果を生めるのかが材料視される。年明けに話題となった経済圏構想「一帯一路」(新シルクロード構想)を例に挙げると、確実に長い時間がかかる政策となるものの、どのように実施されるのかについては未だに明確化されていない。「一帯一路」政策は多くの国々に関係してくるが、もし中国との協力を拒む国が出てくれば、政策が暗礁に乗り上げる可能性が懸念される。また大型国有企業6社を対象にした中国国有企業改革の例では、市場は度々合併や再編の見込みから株価が高騰したものの、どのように合併・再編となるのか、未だに詳細が発表されていない。このため銘柄を選ぶ際、投資家はすでに政策が実施されているか、政策の具体的な実施項目を備えた関連銘柄を選ぶべきであろう。

政策実施の可能性を見極めるほか、市場では中国本土経済にいつ好転の兆しが現れるのかが注目されている。経済が減速し始めてから、中国政府は、政策金利や預金準備率の引き下げ、鉄道投資の拡大などで経済刺激措置を行ってきたが、残念な事に今なお経済好転の気配が見られない。経済先行き好転が前提であれば、中港の株式市場は政策打ち出しを好感しての上昇相場が見込めるだろうが、上昇相場が終始着実性を伴わない場合、反発後に再び下落傾向が展開する可能性に注意が必要となる。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

 

 

 

 

Share on LinkedIn
Pocket

お知らせ

  • テンガードからのお知らせ
  • スタッフコラム
  • 株式市場関連
  • よくあるご質問
ダイヤモンド社発行『ダイヤモンドQキュー』にてテンガードが紹介されました!

証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。

香港強制性公積金計劃管理局 (MPFA: Mandatory Provident Fund Schemes Authority) の正規取扱代理店です。

香港保険業監管局 (IA: Insurance Authority) に正式登録されているライセンス保有代理店です。