一人っ子政策解禁も 第2子出産は政策の組み合わせを要考慮

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一人っ子政策解禁も 第2子出産は政策の組み合わせを要考慮

[2015年12月23日]

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(China’s Total Fertility Rate 中国出生率)

中国中央委員会第5回全体会議(五中全会)では国民夫妻に対し第二子出産を許可することを決定、これは30年以上も続いた一人っ子政策の正式な廃止を意味する。多くの国々と同様に、中国本土は現在高齢化の脅威に直面しており、2020年までに、中国本土で35%以上の人口が60歳を上回ると予想されている。高齢化による経済衰退を避けるため、人口政策の緩和は合理的な方法と言えよう。分析によると、新政策の実施で、中国本土の人口は毎年300~800万人増加すると見られ、新たに増加する人口は新たな需要をもたらし、長期的には老齢化によって失われる労働力も補えるだろう。

だが、人口政策において、政府の役割はあくまで受動的で、子供を産む主導権はいつでも夫妻の手にある。最近の社会環境の下では、たった一人の子供を大きく育て上げることも決して容易ではない。筆者の理解では、中国本土の一線都市(北京、上海、広州、深センなど)では幼稚園での月額が数千元(数万円)に達しており、これだけでも十分に教育費が夫妻の出産計画に影響を与えていると言える。このほか、医療費や住宅費の支出なども夫妻にとって出産を考慮する要因となっている。もし政府が事前にこういった各項目をしっかりと支援しなければ、たとえ一人っ子政策が廃止となっても、夫妻がさらに多く次世代を増やしたいと考えるとは限らない。中国の人口は13億人と言われ、経済が飛躍するにつれ、国内資源だけではなく、国外資源も大量に消費する。新たな人口政策の実行には、中国本土では資源の再割り当てを行う必要があるだろう。

中国政府は2つの「一百年(100%増となる年)」目標を確定しており、一つ目は2020年に全面的な小康社会の形成を目標とし、2020年のGDP及び国民1人当たりの平均収入が、2010年から2倍となる100%増を目指すものだ。この目標を実現するには、中国本土ではこの先5年の経済成長率が1年あたり6.5%に達していなければならず、言い換えると、経済成長率6.5%が中国政府のこの先5年間の下限ラインとなるだろう。目標達成を死守するため、中国政府は今後あらゆる手を尽くして経済成長率6.5%以上を確保しに来るだろう。中国本土の現在の経済情勢は5年前に比べて更に複雑となっており、「第13次5カ年計画」(十三・五計画、2016~20年)の道のりは容易とは行かないだろう。

 テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

 

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