航空業界がここ半世紀のピークを迎える

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航空業界がここ半世紀のピークを迎える

[2016年1月5日]

 

1国際航空運送協会(IATA)はすでに昨年6月時点で、2015年の航空業界の利益がここ半世紀で最高になると予測し、純利益は293億米ドルに達するとした。世界経済が鈍化傾向にあるものの、航空業界は流れに逆らい上昇を見せている。その背景にある要因として、石油価格の下落及び業界内の合併や再編などが関連している。需要弱化や米ドル強勢の中で国際原油価格の低迷が続いており、産油国が減産するか世界経済がやや強く回復するような成長動力が見られない限り、石油価格は今後も低水準をうろつく可能性が非常に高い。一般的に、燃料支出は航空会社の経営コストの3割を占めるため、低い石油価格は航空会社にとってコストを抑制でき、利益率を高める後押しとなるだろう。

経営効果や収益の改善および競争力強化のために、航空会社は近年積極的に業務再編を行ってきた。特に米国では、現地航空会社の数が05年の9社から13年には5社まで減少している。長年の努力を経て、業務再編により生じるメリットが次第に現実化したことで、2015年の航空業が理想的な成果を獲得したのだ。エリア別で見ると、北米の航空業の純利益率は7%以上、アジア・太平洋地域と欧州の航空業はそれぞれ2.5%および2.8%となっている。業務再編の恩恵を受けた事に加え、米国経済がアジア・欧州より理想的となったことも、北米の航空業がより高い利益率となったもう一つの要因だ。

中国経済の飛躍に従い、中国と他国間の往来で日々頻度が増し、航空の交通面も次第に繁忙となってきた。一昨年、中国の航空会社が輸送した国際旅客数はのべ3千万人以上で前年比18%増となっている。また、中国本土から出国する旅客数に至ってはのべ1億人を突破しており、増加し続ける航空需要は国内外の航空会社に巨大なビジネスチャンスをもたらしている。この勢い良い発展に合わせるべく、航空会社は航路を再編し、すでに飽和状態の空港を拡張して発着陸の処理能力を向上させなければならないだろう。比べて見ると、中国の航空企業株は改革による再編の関連銘柄となっているため、国外の航空会社と比べ中国の航空会社のほうが、より大きな魅力を備えた銘柄と言えるだろう。

 テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

 

 

 

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