株式市場、相場良し悪しよりも安定した運営が重要

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株式市場、相場良し悪しよりも安定した運営が重要

[2016年2月18日]

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1月以降、A株は続落し、上海総合指数は市場で「嬰児底(ベビーボトム、銘柄保有の底値)」と呼ばれるボトムラインを割りこんでいる。上海・シンセン両市場の出来高および信用取引規模は低水準が続いており、株式投資家たちの先行き不安を反映している。中国本土経済は今まさに構造改革の重要期間であり、株式市場の急騰も暴落も経済発展の重石となっている。株式市場を再び正しい軌道へのせるには、政府は根本からの問題解決に着手しなければならない。短期的に見れば、株式市場のトレンドは完全にファンダメンタルズから乖離できるが、長期的に見ると、株式市場の値動きはファンダメンタルズと切っても切り離せない。つまり、政府当局による市場介入や政府方による救済措置がA株の短期パフォーマンスを安定させることができたとしても、株式市場の長期的安定回復のためには、最終的に経済が減速傾向を脱する事ができるかが遥かに重要となる。

経済要因のほか、政府介入の動きも株式投資家のA株先行きに対する信頼感に影響を与えている。株式投資家にとって、相場変動はもちろん重要であるものの、さらに重要となるのは株式市場の運営効率であろう。株式市場が正常に運営できなければ、投資家からの信頼を失うという、シンプルなことである。「サーキットブレーカー」制度の実施後、A株は2度の取引休止となり、投資家の恐慌情緒を刺激してしまったため、最終的に「サーキットブレーカー」制度そのものの中断を余儀なくされた。この件では、不必要な干渉が間逆の効果をもたらす可能性があることが示された。また、政府は企業や大株主に保有高を増やすよう求めて売買を規制したが、これらの措置も市場効率に影響し、株式市場に合理的な値動きを反映できなくなっている。政府の責任とは、決して株式相場の上がり下がりを制御するのではなく、株式市場で激しい嵐が起ころうとも正常な運営を確保することにある。

A株はやはりまだ新興国市場であり、株式投資家の投資経験が十分豊富であるとは言えない。彼らの成熟度を高めるには、投資家向け教育をしっかりと行う事が非常に重要だ。教育を通して、株式投資家はリスク管理の重要性を理解し、暴落の際に政府による救済措置に依存するべきではないと分かることだろう。株式投資家たちが理性的になるにつれ、A株の株価急騰落が再び起こる可能性は低下していくはずだ。

 テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

 

 

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