多くの要因が5月の株式相場に影響

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多くの要因が5月の株式相場に影響

[2016年5月4日]

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5月入ると、現地投資家は香港株に「五窮」(窮する五月)*の現象が出るか否かに最も関心を寄せ、また同じように、欧米の株式市場でも「Sell in May, go away」という投資格言があり、現地投資家であれその他のエリアの投資家であれ、みな5月の株式相場に対しある程度の警戒心を持っている事が分かる。圧倒的多数の主要企業が2・3月の間に前年度の業績発表を済ませているため、従来5月は材料が比較的少ない月となっている。材料不足や権利落ち日が重なることも影響し、5月の株式相場は低調となりやすい。しかし、情報の流通スピードが加速するにつれ、また、大量の中国本土企業が香港で上場し四半期決算を発表する文化が起こりつつあり、5月の株式市場はもう材料不足と言えなくなっている。

* 香港株式市場では「五窮六絕七翻身」(5月に窮し、6月に息絶え、7月に蘇る)という投資格言がある。

実際のところ、4月末から続々と第1四半期の業績発表が行われたが、5月の香港株式市場が上向く可能性については、重量級銘柄の業績が重要ポイントの1つとなる。四半期の業績に加え、中国本土要因も香港株式市場に決定的な影響を与える。昨年、中国本土の株式市場が急騰落し、香港株式市場も「大時代」の日々をすごした。昨年の狂気と比べると、今年の中国本土株の動きは理性的と言える。しかし経済指標の善し悪しや、政府による政策および言論が中国・香港両エリアの株式市場の動きを今後も左右するだろう。

当然、投資家はみな周辺要因による影響も見過ごせない。英国では6月に「脱EU」を問う国民投票が行われるため、国民投票関連の世論調査が5月の市場の焦点になると推測される。もし世論調査で「脱EU」賛成派がより多く示された場合、悲観論者が英ポンドの弱化に乗じて、世界的な金融市場の変動を引き起こす可能性がある。以前、オバマ米大統領の訪英時に、もし英国がEUを離脱した場合、米国は優先的にEUと貿易交渉を行うと警告しており、EU離脱が英国の利益に及ぼす損害は明らかだ。

近年の世界経済は変化が多く、株式市場の動向はありとあらゆる方面にねじ曲げられている。「五窮」(窮する五月)となるか否かへ注目するよりも、むしろ5月の市況に影響する要因に何が有るのかに注意すべきと言えよう。

 テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

 

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