配当収益ツールに大きな追い風続く

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配当収益ツールに大きな追い風続く

[2016年5月31日]

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昨年、香港のインフレ率は3%へ下落、2014年の4.4%を明らかに下回り、今年の第1四半期は更に2.8%まで落ち込んでいる。政府の予測では、香港の今年のインフレ率は2.3%にとどまる見通しだ。インフレ率反落に伴い、第6弾発行のiBondの配当は3%を下回ると予想される。iBond6の配当が過去に発行されたiBondを下回る予想があるものの、世界の金融市場では変動が続いているため、以前としてiBond6は一定の配当を受け取れ、かつ着実にポジションをとりたい投資家にとって理想的な選択肢となっている。また、iBondは政府の後ろ盾があるため、投資リスクはほぼゼロで、これに加えて配当が最低でも1%となれば、iBondが「安定収益」投資だと賞賛されるのも納得だろう。

iBondのほか、市場には他にも配当収益投資ツールが存在する。例えば人民元定期預金や投資適格社債などだが、中でも人民元定期預金は香港でもブームを巻き起こしたことがある。iBondと同様に、人民元定期預金の利率も近年下落傾向となっており、加えて人民元には、為替改革や中国経済減速などの要因による価値下落リスクが存在するため、近年の人民元定期預金は以前ほど注目されていない。iBondと比較し、配当収益株の配当利回りは一般的にやや高めであり、リートや、水道・電気・ガスなどの公益事業関連銘柄の平均配当率はそれぞれ5%、3%以上となっている。しかし、配当収益株は市場の雰囲気の影響を受ける可能性があり、その上配当状況は業績に応じて変動する為、配当収益株への投資リスクはiBondよりも高いと言える。

香港ドルは米ドルペッグ制を採用しているため、米利上げが香港の利上げを触発すれば、配当収益ツールのメリットが弱化し、資産価値を下落させる可能性がある。現況の分析では、米国はスローペースの利上げしかできず、年内2度を上回る利上げの可能性は極めて低い。その他、香港の遊休資本には余裕があり、米利上げが資金の大規模流出を誘発しない限りは、米国が利上げを行っても香港が追随するとは限らない。低金利が続く可能性が非常に大きいと見られる中、配当収益ツールは引き続き大いに追い風を受けるだろう。先行き不透明な経済情勢に直面するなか、ポートフォリオにある程度保守性を備えた投資ツールを組み込むことは、私達がリスク回避を行う上で役立ってくる。

 テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

 

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