- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2017年4月26日]
昨年11月8日の大統領選勝利後、米国株は反発上昇が続き、三大指数が絶えず最高値を更新。トランプ氏の政策が米国経済に利益をもたらすだろうとの期待感が、継続的に株式市場の上昇動力を牽引している。続けて米国優先や一時入国禁止措置をはじめとする多くの大統領令に署名した後、最近のトランプ氏は税制改革に言及しており、この発言が米国株の更なる高値水準引き上げを刺激している。ある分析によると、米国の財政赤字は深刻で、加えて債務負担も重なっていることから、ワシントン政府は基本的に減税のリソース不足であるという。減税初期段階では、税収減少は確実に財政赤字を悪化させ、債務負担が大きくなる可能性があるものの、減税によって最終的に更に多くの投資をもたらすことができれば、米国政府の中長期の収入は、経済成長の加速によって増加するはずだ。クリントン政権時代、米国政府は減税による経済刺激を行い、最終的にクリントン氏は政府に利潤記録をもたらすことに成功しており、トランプ氏が再び奇跡を生み出すことができるのかに注目したい。
減税政策のもとで、真っ先に恩恵を受けるのが一般企業となろう。もしその他の要因にとくに変化がなければ、減税は企業利潤を増加させられるはずだ。企業は減税で浮いた資金を新たなプロジェクトへの投資に用いることができるため、この点でも経済成長を大いに刺激できるだろう。そのほか、増えた利潤を用いて株式の配当を増加したり買い戻しを行うなど、株主に還元するやり方で株式の価値を高めることもできる。企業や投資家のほか、従業員も税制改革のもとで恩恵を受けられるはずだ。減税によって企業は従業員への給与上昇幅に、より大きな余地ができるため、もし従業員層が新たに増えた収入を消費に用いれば、米国経済の成長速度は更に加速するだろう。
共和党が米上下両院を制御していることに加え、減税が経済発展に有利な措置であることから、トランプ氏の打ち出す減税案はさほど大きな支障もなく通過すると予想される。しかし、注意すべきは、企業による投資であれ従業員による消費増加であれ、いずれもインフレ加熱を誘発するため、つまり、米国の利上げペースが減税によって加速する可能性がある点だ。
テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。
証券取引委員 (SFC:Securities and Futures Commission) の Type 4, 9 のライセンスを取得しているファイナンシャルアドバイザーです。
香港強制性公積金計劃管理局 (MPFA: Mandatory Provident Fund Schemes Authority) の正規取扱代理店です。
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