配当金増加で中国資本株の魅力高める

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配当金増加で中国資本株の魅力高める

[2017年5月4日]

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ちょうど業績発表期間を終え、多くの中国資本企業がまずまずの業績でありながら配当増に踏み切っている。この状況はもしかすると、SASAC(中国の国有企業を管理・監督する組織)が上場企業に対して増配の促しや株主へのリターン引上げを要求した事と関係しているのではないだろうか。企業は配当利回りの引き上げ、もしくは、特別配当の形で増配しているのだが、この2つの形式が市場において異なった材料視をされている。配当利回りの引き上げは、通常企業の将来性に自信があり、この先の業績が少なくとも安定維持できることを反映している。しかし特別配当は往々にして一時的な決定であり、企業の将来性に対する見解とは関連しない。両者を比較すると、やはり配当利回りのほうが特別配当よりもプラスのシグナルを発していると言えよう。

事業成長の初期段階において、企業は利潤を配当せず保留し、将来の発展に用いることは理解できる。しかし、事業がそれなりの規模に発展し利益を見込める段階になっても依然として配当をしぶるため、過去に中国資本企業が長期的に配当を行わないことについて、多くの投資家から不満が出ていた。SASACが要求を出したことで、中国資本企業の配当への取り組みに変化が生まれる見込みがある。これまで中間配当は中国資本企業の習慣に無かったが、今後中国資本企業が中間配当を習慣化できるかどうかが次の焦点となろう。株式投資の目的として、株価と配当による収益は切り離せないものであり、もし中国資本企業による増配が将来的な趨勢となることができれば、中国資本株の投資価値は上昇の勢いを増し、より多くの資金による投資を促し、中国資本株にとって良い後押しとなるだろう。

近年、中国本土は積極的に金融市場の改革を推進しており、改革の一つとしてA株の国際化がある。A株を国際市場とリンクさせるには、中国資本企業が株主の権益を重視して高めるよう促す方法を考えなければならない。2015年の株式市場危機の後、A株のパフォーマンスは重く無気力な状態が続いており、深セン・香港ストック・コネクト(深港通)の推進期間ですら、A株に活気は見られないままだ。A株が活力を取り戻すには、更に改革を深めるほかなく、上場企業に株主の収益を重視するよう要求することはその改革の一部として関連している。

 テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

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