規制緩和が金融株好調を刺激か

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規制緩和が金融株好調を刺激か

[2017年5月24日]

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トランプ米大統領は常々狂気的な言動をとっているものの、彼の打ち出す経済刺激策はマーケットで非常に歓迎されており、トランプ氏当選後の米国株が絶えず上昇していることからもこの点が見てとれよう。減税およびインフラ建設への投資増加を提唱するほか、トランプ氏による金融規制緩和への取り組みが、マーケットにおいてもう一つの焦点となっている。金融危機後、世界の主要国はいずれも金融業界に対し規制強化を実施。管理当局が金融業界に経営コストを拡大するよう要求したため、過去8年間にわたり、金融業界にとっては大変な経営だったと言える。トランプ氏による金融規制緩和の提案で、金融業界の先行きにまるで朝日が差し込んだかのようである。

過去8年間、厳格な規制は確実に金融業の生存の余地を失わせてきた。業績を維持するため、多くの金融機関が、人員削減や業務規模の縮小など、支出を切り詰めるやりかたでコスト削減を行ってきた。しかし、もしあまりにも規制が緩和された場合、長期先行きで金融システムに再び事故が発生するリスクがあろう。金融危機以前は、金融規制がきわめて緩和された状況にあったが、金融危機後は、規制がきわめて厳格な状況へと変化した。明らかに、これら2パターンの状況はいずれも理想的ではないため、トランプ氏の新たな金融規制政策がバランスの取れたポイントを見つけられる可能性に期待が寄せられている。上手くいけば金融系企業がリスク制御可能な状況で比較的投資商いがしやすくなるだろう。

一般的に、金融規制の緩和後は、金融機関のビジネスの可能性が更に高まると見られ、より早い成長リターンが見込める。業績が改善して行くなか、企業は株式配当の増加や、株式の買い戻しを行うなどして、株主により多くの資産還元を行うと見られる。ここ数カ月、世界的に金融関連株は好調で、その要因の一部として、投資家がこの先の金融業界の生態環境に改善を見込んでいることと株主の収益増の見込みが関連している。このほか、米利上げによる利息差の拡大が期待され、近月の金融株に上昇動力をもたらしている。これから年末にかけて、市場では米国が少なくともあと2度利上げを行うと予想している。雇用市場の好調が続いていることから、市場では米国が来月再利上げを行うと予想している。

 テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

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