オンライン金融商品に規制強化の流れ

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オンライン金融商品に規制強化の流れ

[2014年3月3日]

2014-03-03

中国本土では続々と金融商品のデフォルト問題についてのニュースが伝えられており、金融商品のリスクの高さや、商品に潜在するリスクを購入者が明確に理解していなかった事が反映されている。事実上、筆者の見解では、金融商品を選択して購入する人々のほとんどが提供される収益率にばかり気をとられ、商品がどのように運営されるのか、そして背後にどのようなリスクがあるのか、大部分の人々が理解できていない。しかし「リターンだけを見て、リスクを見ない」のは非常に危険な事だ。深刻な場合、金融危機勃発の可能性が高まり、08年の金融危機の際に投資家達が見落としていた投資リスクと関連してくる。

金融商品が相次ぐ「破綻」となってしまう可能性に関心が集まる中、オンラインでの金融商品販売が中国本土で急速に広がっている。あるインターネット通信企業では年7%近くのリターンを掲げて投資家の注目を集め、関連商品は3分で売り切れた。このことから、市場の高リターン商品に対する極めて切実な需要が見て取れる。銀行の定期預金に預けることを考えれば、オンライン上の金融商品のリターンは確かに魅力的ではある。しかし、投資家達に「なぜインターネット通信企業が提供するリターンが銀行の定期預金の利回りを上回ることができるのか?」と問うてみたい。インターネット通信企業が提供するリターンと、銀行の定期預金の利回りとの違いは、リスクに対する保険料であり、リスク保険料が高い商品ほど、関連するリスクがより高まることを意味している。インターネット通信企業が財力不足となるのか、もしくは派生ツールの利用で定期預金を上回るリターンを作り出せるのか、こういった金融商品への投資は高いデフォルトリスクを負担することになるのだ。

オンライン金融商品の取引増加はすでに大きな勢いとなっている。健全かつ秩序を保って市場を発展させるべく、政府は規制強化を進めるに違いない。積極的にオンラインでの金融ビジネスを開拓しているインターネット通信企業にとって、規制はメリットにもデメリットにもなる。政府による規制によって、まずは大きな保障を受けられるようになるだろう。そして投資家の信頼感が増す状況になれば、オンラインでの金融商品販売は更に容易になろう。当然、政府の規制強化によってインターネット通信企業ではランニングコストが増加し、関連支出が金融商品の粗利益を引き下げる可能性がある。いずれにせよ、規制対応がしっかりなされることが非常に重要となる。

テンガード ファンドマネジメント ディレクター パトリック・シャム

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