人口規模も国の経済にとって諸刃の剣に

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人口規模も国の経済にとって諸刃の剣に

[2023年5月8日]

ワシントン – 4月19日(水)に発表された国連データによると、今年の半ばにはインドが中国を抜いて世界で最も人口の多い国となるようだ。その頃にはインドの人口は14億2,860万人に達する見込みで、中国の14億2,570万人との差はわずか300万人程度、3位の米国とは3億4千万人の差をつけて大きく上回っている。

人口と経済の関係は重要である。 前者は後者の進歩の原動力であり、後者は前者の基礎となる。

4月12日に日本の総務省が発表した人口推計によると、労働人口の割合が史上最低水準に近づき、総人口は12年間マイナス成長を続けている。首相補佐官である森雅子氏は、「人口が激減していることは、今日生まれた子供たちが、歪んだ、縮小した、機能不全の社会に放り込まれることを意味する」といったことを率直に語っている。対策をしなければ日本は滅びる…というのは、決して驚くような話ではない。

中国は61年ぶりに人口がマイナス成長となり、インドが中国を抜いて世界一の人口を誇る国となる。 中国にとって、これは高齢化と人口減少が同時に進行する長い戦いの始まりを示している可能性があり、アジア地域と世界に大きな影響を与えることになるだろう。

まず、過去数十年間、中国の製造業は人口ボーナスのおかげで飛躍的に成長した。中国の人口の7割を超える巨大な労働力は、特に安価な労働力を世界に提供し、多くの外国企業の投資を呼び込んだ。大量の外国投資と工場建設は、周辺経済の急速な上昇をもたらし、沿岸部の都市が内陸部の都市よりも著しく活性化する事態に至った。それはまた、今日の海岸都市が顕著に内陸都市よりも経済的に活発となる状況を招いた。

最も人口の多い国になったインドは、この後果たして中国の代わりにこの「人口ボーナス」を吸収することができるのだろうか?国連人口報告書から引用すると、人口ボーナスとは「生産年齢人口の割合増加によって、経済成長と社会開発を加速させる機会」である。インドの労働者人口比率は現在中国のほぼ半分であり、さらにインドの富の比率が二極化している今、このニュースは「人口災害」の初期警告となるかもしれない。

ローエンドの発展が人口ボーナスに依存する一方で、ハイエンドの発展は才能ボーナスに依存する。 社会と技術の発展に伴い、労働力構造の転換、労働生産性の向上、経済構造の最適化が、最終的に国をより質の高い経済成長へと促進できることになるのだ。

 

フェー・チャン

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