利回りの動きは米先行きの不明瞭さ示す

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利回りの動きは米先行きの不明瞭さ示す

[2014年8月13日]

patrick1市場の予想通り、米FRBは債券購入の規模を更に縮小。縮小規模は毎月100億ドルとなっており、このペースを維持すれば、債権購入プログラムは10月で終了となる。FOMC(連邦公開市場委員会)後の会見において、FRBは債権購入の終了と長期的低金利環境の終了は同時では無いと再度表明しており、依然として利上げの行方は今後の経済如何が影響するだろう。今回の会見で採択された方針は前回と大差なく、金利政策においてFRBが過去数カ月間一定の立場を保っている事が反映されている。議会後の会見内容やイエレンFRB議長の発言によると、FRBは雇用改善および継続的な経済成長の確保を比較的重要な位置付けとし、現時点で利引上げ時期については最重要視していない。現在の市場予想では、FRBによる利上げは来年中となる見通しだ。

米GDPは第2四半期が4%増となり、第1四半期が上方修正され2.1%減となった。総じて上半期の増加幅は2%足らずとなり、米国の経済回復に力強さを感じる事はできない。この先の米国経済を予測する場合、米国債利回りからある程度の手がかりを得られよう。現在の米国債利回りは短期債で上昇し、長期債で下落となっている。こうした短期・長期で相反する利回りの動きは、米国経済の先行きが不明瞭であることを示している。短期債利回りが上昇すれば、市場が米国経済の短期見通しを良好と見なしているため、利上げ時期が早まる可能性がある。しかし長期債利回りの下落は、市場が長期見通しを懸念している事が示されているため、現在の回復ペースが継続できるとは限らないだろう。

ある分析によると、米国の政策金利引上げは、銀行体系から1兆米ドル近くの預金流出を誘発すると見られている。こういった災難の発生を回避するべく、FRBが利上げに踏み切る前に、米国の規制当局及び銀行は事前に措置を講じて利上げ後の大量の預金流失を防ぐ必要があるだろう。一般的に、FRBは通貨政策の改変をする際、事前に情報を流すため、10月以降のFOMC声明において利上げ時期についてより多くの詳細が発表されると見られる。

 

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム

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