質が重要視されつつある中国株式市場

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質が重要視されつつある中国株式市場

[2014年9月17日]

pic1またもや中国民間企業が空売り調査会社から粉飾決算を疑問視されている。事実上、このような疑惑の目を向けられた民間企業銘柄の株価が下落し再起不能に陥るといった「民間企業ショック(中国語:民企風暴)」がここ数年で度々発生している。空売り調査会社から向けられた疑惑の真偽がどうあれ、こういった材料が現れる際には多くの投資家がある程度信頼を寄せた上で、関連銘柄を売却してしまう。関連銘柄が投資家からの信頼を失えば、いくら該当企業がクリーンであったと判明しても、株価が再び強勢を取り戻すのは一般的に難しく、空売り調査会社のリポートが非常に大きな破壊力を持つことが明らかとなっている。このような民間企業ショックによる株価下落の可能性を低下させるべく、個人投資家は株式購入前に十分なレクチャーを受ける必要があるだろう。

民間企業ショックの出現は、企業の質の面に関心を持つよう市場に喚起していると言えよう。量は有れど質を欠いた株式市場は、結果的に投資家を恐れさせるばかりとなろうが、まさに中国の株式市場が良い例である。近年、中国本土の株式市場相場は不振が続いており、質の乏しい上場銘柄の存在は投資家のエントリーを遠ざける要因の一つとなっている。中国本土では、多くの企業にとって株式市場は資金調達のプラットフォームと見做されており、こういった企業の上場目的はただの資金集めで、調達した資金を将来的なビジネスの拡大に用いるつもりは始めから無いのだ。月日が経つにつれて株式市場には質の乏しい銘柄が大量に蓄積され、投資家が損害を被る可能性が大幅に拡大しつつある。質の乏しい銘柄を目の当たりにし、中国の規制当局は近年積極的に株式の質を向上させる様々な改革を打ち出しており、秩序をもってIPOの再始動及び上海香港ストックコネクトの始動ができれば、いずれも中国株式市場の品質改善の後押しとなろう。

株式市場の主要機能は、企業へ資金調達ルートを提供することだ。もし株式市場の機能が正常に発揮されなければ、株を扱う投資家が損失を被る上に、経済発展も妨げられるだろう。少し前には中国本土で株式市場の質に言及する記事が取り上げられており、中国自身も株式市場の品質向上が非常に重要であると理解しているのは明らかだ。最近の中国本土の株式市場は強勢を維持しており、マーケットが本当に現状を改善できるか否かは、改革が効果を出せるか否かがキーポイントの一つとなろう。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム

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