中国短期経済は尚も微調整や安定政策に依存か

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中国短期経済は尚も微調整や安定政策に依存か

[2014年10月3日]

2014年10月3日_patrickHSBC発表の中国の9月製造業PMIは初期値が50.5へ上昇し、市場予想を上回った。多くの指標で改善が見られたものの、生産、雇用の指数では依然として経済への下方圧力が示されている。9月の生産指数は51.8と報じられており、前月からの低水準が続く。雇用指数は11カ月連続で低下し、46.9となっている。製造業データのほか、最近発表された物価、輸入、不動産市場などのデータでも中国経済の下振れリスクの存在が示されている。

数カ月前に、中国政府は多くの微調整や安定措置を実施し経済振興を行った。その結果一旦は経済好転の気配が現れたものの、残念ながら短期好転を経た後は再び下落傾向となり、現状の中国の困難な局面を解決できなかったことが反映されている。事実上、中国本土経済は構造問題に覆われており、単なる微調整や安定措置に頼って構造問題を解決するのは不可能であるため、構造改革が中国経済の主要な活路となろう。しかし、改革は時間を要する上に複雑な道のりとなるため、中国本土経済が短期間で弱勢を脱出する可能性に期待するのは現実的ではないだろう。

ある報道では、中国政府はすでに今年の成長目標を諦めており、将来的な改革に更なる重点を置くだろうとしている。市場ではもし政府が本当に成長目標を放棄している場合、政府が二度と経済刺激措置を出さない可能性を懸念している。これまでに李克強首相は、経済成長が目標よりも僅かに高いもしくは低い結果となっても許容範囲であるとしており、この言い回しは中国政府が経済成長の目標達成にこだわっていないことを意味している。ここから推測するに、中国政府が成長目標を放棄している可能性は有る。しかし、成長目標の放棄が刺激措置を打ち出さないという表れではない。微調整や安定措置では構造問題を解決することはできないが、安定措置は短期経済のパフォーマンスの方で依然として効果がある。改革による明確な効果を得る前に、政府は引き続き微調整や安定措置に頼って経済を下支える可能性は大いに有り、鉄道の拡大やインフラ建設の投資なども刺激策の重要ポイントとなろう。四中全会(中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議)を10月に控え、会議の開催期間やその前後に政策が発表される可能性があろう。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム

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