日欧の経済先行きにまだ光は見えず

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日欧の経済先行きにまだ光は見えず

[2014年11月25日]

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日本経済はここ2期連続でマイナスを記録。テクニカル分析上、日本経済は衰退に踏み入っており、4月の消費税増税が経済下落の元凶となっている。近年、安倍首相は脱デフレのため円安及び消費税増税を行っているが、物価が上昇するばかりで経済を下支えできておらず、その要因はこれらの政策が日本の核心問題を根本的に解決できていない事にある。また、円安と増税がもたらすインフレは好ましいとは言えず、本当の意味で経済利益となるインフレとは国民の消費意欲の向上によって触発されるべきであろう。日本経済の衰退はアベノミクスに打撃を与えており、退勢を挽回する為には、安倍首相は消費税増税のタイミングを延期せざるをえない。もし日本経済がこの先1、2四半期で好転の気配を得られ無ければ、アベノミクスは完全に崩壊することになろう。アベノミクス及び経済先行きを守る為に、安倍首相はこの先更なる量的緩和を日銀に求める可能性もあろう。 

日本経済が混乱する一方で、欧州の情況もまた思わしくなく、多くの国々が衰退に陥っている。経済が極度に支援を求める事になれば、欧州の国々は欧州内銀行によってソブリン債を売却される脅威に直面する可能性がある。バーゼル協定によって、銀行は単一の相手に25%以上の投資を行えない事になっている。もし欧州の管理当局が投資上限を10%と設定した場合、欧州域内の銀行はすぐさまソブリン債の保有高を引き下げると見られ、その規模は1.3兆ユーロ以上、うち約3千億ユーロがドイツのソブリン債となる。大挙してソブリン債が投げ売りされる事になれば、債券利回りを押し上げ、とうに弱りきった欧州経済に新たな打撃を与えることになろう。 

欧州域内の銀行がソブリン債を売却するか否かに加えて、ロシアの経済状態も見落とさないよう注意したい。ロシアの収益は主に石油販売であるため、国際的な原油価格の上昇及び下落がロシア財政に圧力を構成する。このほか、今年は大幅なルーブル安となっており、貨幣価値の下落により投資家からの信頼を損ない、資産価値はダメージを受けている。欧州と隣り合うロシアで、ひとたび金融危機が勃発すれば、欧州が真っ先に影響を被るであろう。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム

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