トランプ氏は「一つの中国」政策で利益獲得を図るか

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トランプ氏は「一つの中国」政策で利益獲得を図るか

[2017年1月16日]

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米国ホワイトハウスの新たな主人となるトランプ氏が引き続き狂気的な人格を発揮している。中国は貿易の方面で譲歩しない限り、アメリカは「一つの中国」政策を必ずしも遵守する必要はないと以前に表明しており、彼の言論は国際社会の関心を引き起こしている。アメリカがずっと「一つの中国」政策を遵守するなか、中国・アメリカ両国には台湾問題に起因する争議があるが、台湾海峡の情勢は総じて穏やかである。国際舞台において、中国とアメリカは政治・経済の大国だ。そのため、両国関係が一旦緊張状態に陥ると、世界情勢は風雲急を告げることとなろう。

中国にとって、「一つの中国」原則は譲れない一線であり、この点はトランプ氏も分からないことはないであろう。実際に、彼は「一つの中国」政策を完全に理解していることを既に表明している。トランプ氏が「一つの中国」政策は侵犯できないものであることを深く理解している上で、どうして彼は中国の譲れない一線に挑もうとしているのだろうか?その理由は簡単である。中国の急所に乗じて、更に多くの政治的・経済的利益を得ようと図りたいのである。トランプ氏はビジネスマンであり、どのようにすれば最大の利益を得ることが出来るのかを知っているのであろう。

金融津波の後に、アメリカ経済は回復上昇、中国経済はピークから落ち込んでいる。現在の経済情勢を見ると、アメリカが優位にある。アメリカに対抗するに、中国はロシアに歩み寄ったものの、トランプ氏はプーチン大統領に友好的であり、アメリカとロシアの関係は改善が望まれよう。米露関係が好転することで中露関係に影響があるかどうかが注目に価する。経済であれ、政治であれ、アメリカは中国に比べて優勢である。形勢が弱まるなか、中国は貿易面においてアメリカへの譲歩を選択するかもしれない。このほか、中国経済は改革の正念場であり、アメリカとの外交関係の悪化すれば、中国の長期的発展に不利な影響を及ぼす可能性から免れるのは難しい。大極の為に中国は現段階においてひたすら低調な姿勢を示す策略をとるのみとなるかもしれない。

トランプ氏は中国を為替操作国に認定し、また中国製品に対して多額の関税を課すとかねてより宣言している。彼の就任後にその関連政策が実施されるかどうかはまだ未知であるが、確実であろうことは、中米関係の悪化は世界経済の発展にダメージをあたえるようになる、ということである。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

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