押し目買いの動きで新興市場にホットマネー流入か

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押し目買いの動きで新興市場にホットマネー流入か

[2014年7月14日]

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最近、香港ドルの実質実行為替レート(EERI)に強いトレンドが見られ、為替相場は強含みで推移。香港金融管理局は過去に何度も香港ドル高を抑制するべく為替介入を実施しており、香港へのホットマネー流入が反映されている。香港のほか、新興国市場にもホットマネー流入の兆しが見られ、通貨の高騰や株式市場の上昇からもその様子が伺える。新興国市場への資金逆流の動きについて、筆者は機関投資家による押し目買いの動きが関係していると見ている。上半期、欧米の株式市場は好調に推移し、多くの主要市場で相次いで最高値更新が見られたが、比較してみると、新興国市場はやや割安な水準となっている。下半期に入り、ポートフォリオの配置換えを行う際に、機関投資家が割安な新興国市場の保有率を増加させたと見られる。株式市場が割安水準となっている要因はさておき、新興国市場のファンダメンタルズにはまだ大きな変化は見られない。それゆえ、今回新興国市場に流れ込んでいるホットマネーが短期的なものか長期的なものとなるのか、現時点での見極めは難しい。

今回のホットマネーが新興国市場にどの程度留まるかはさておき、近日多くの新興国の株式市場においてすでに高値突破が現れており、この先短期でさらなる伸びが見込める。新興国の株式市場の最近の好調ぶりは主にホットマネー流入が牽引している事から、株式市場のテクニカル面での動きに注意。加えて、為替相場の行方や中央銀行の動きにはより一層の注意が必要となる。もし新興国の通貨の弱化が認められた場合や、中央銀行による米ドル買い付けの動きを長らく耳にしなかった場合、投資家は資金が新興国市場から流出している可能性に要注意。

香港株式市場を振り返ると、ハンセン指数はすでに23469ポイントを上方突破して今年の新高値を更新しており、今後は24 000ポイントの試みが期待できる。ある報道では、最近香港へ流れ込んでいる資金の一部はソロスからだとしている。97~98年の間に、ソロスのファンドはアジア地区で痛ましい通貨危機を勃発させ、香港ドルや先物指数も彼らヘッジファンドの空売り対象となった。まさに「鳳凰無宝不落」(フェニックスは宝の無いところに降り立たず)のごとく、もしソロスが本気で大規模に香港ドルを購入した場合、その後の香港の株式市場に暗雲が立ち込めるのは予想にたやすい。どうあれ、資金市場の下、投資家は株式市場のめまぐるしい値動きに対する準備が必要だ。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム

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