- テンガードホールディングスリミテッド
スタッフコラム
[2023年8月7日]
ファンダメンタルから見ていくと、香港株の評価が企業の実際の価値よりも遥かに低いという点は、業界内での共通認識となっている。
米中関係の緊張が続き、外国資本が継続的に流出している。またその一方で、中国・香港の両市場での株式発行、中国における公募ファンドによる香港への投資、中国の上場企業が香港で事業を拡大する動きなどが見られている。そして、香港株式市場は資金の交錯した動きに影響を受けて変動しており、「下抜けしないが、上抜けもできない」という状態となっている。
「上抜けできない」原因は、外国資本が香港市場に長年にわたり深く根付いており、企業やマーケットへの浸透率が非常に高く、資産の価格決定力が非常に大きいからだ。例を挙げると、昨年、株の神様として知られるウォーレン・バフェット氏が14年ぶりにBYD比亞迪(1122.HK)を売却した際、その情報が公開された当日、BYDの株価はマーケット開始直後に10%以上下落した。その後も売られ続け、わずか半年で歴史的な高値から大幅に値を下げた。年末に香港株式市場が政策的な反発を見せるまで、買い手が再び主導権を握ることはできなかった。
地元資金の動きはあまり活発ではなく、それが「下抜けしない」状態を生み出している。一般的な観点から言うと、以前は香港の市場で野菜を売っていたおばさんでさえ、彼女が株式市場で老後資金を投資している話を熱心に聞かせてくれたものだ。しかし現在では、最も話好きなタクシードライバーでさえ、「視界に入れさえしなければ心配でない。今は株式市場を見ないようにしているし、上がったら考えるよ…」と話す。市場は理由もなく持ちこたえている状態だ。
一方で、流動性不足が資産価値の回復を阻害している。例えば、甲が20,000ドルの価値がある会社の株を2,000株保有しているとしよう。しかし、その株価は現在6ドルしかない。彼はそのまま動かさない方がいいと考えるだろうし、10ドルの資産を6ドルで現金に変えることはしないだろう。
もちろん、このようなジレンマ的な状況は一時的なものだ。一部の資金は高値で撤収したいと考えるかもしれないが、他の資金は低値で買い足したいとも考えているだろう。大きな金融機関間の株式売買が増加し、マーケットの変動幅が縮小しており、マーケットはすでにゲームの後半に突入している。恒生科技指数(HSTEC)は今年の5月末の低値からすでに20%以上反発しており、テクニカルなブル・マーケットに入った可能性がある。しかし、私たちはここでより慎重な姿勢を保ち、本四半期でより明確なシグナルが得られた後に他のアロケーションを検討する予定だ。
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