第3四半期の香港株は米バランスシート縮小次第

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第3四半期の香港株は米バランスシート縮小次第

[2017年7月11日]

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香港ハンセン指数は6ヶ月連続上昇、累積上昇幅17%となり、十分理想的な上半期の動きとなった。第3四半期に入り、香港ハンセン指数は更に上昇できるだろうか?今後、どういった要素に注意しておくべきだろうか?現在の様々な要素を見ると、第3四半期に香港株へ影響を与える最大の要素は、米FRBが9月に開始すると見られているバランスシート縮小であろう。6月のFOMCを終えてから、マーケットでは早くて9月にもFRBがバランスシート縮小を実施すると推測している。バランスシート縮小により、香港にある資金が離れていく可能性があるため、バランスシート縮小は香港株の第3四半期における最も大きな不確定要因となる。もし、今後FRBの発言に変化が無く、バランスシート縮小に対するマーケットの予測に変わりがなければ、香港株の投資ムードは8月から次第に慎重になり始めるであろう。つまり、7月後半の香港株式市場は比較的大きな調整圧力に直面する可能性がある。

米国の通貨政策の他に、中国本土からの資金である「北水」の動向もまた香港株に大きな影響を与えている。過去数週間は、おそらく半期決算要因の影響を受け、中国本土資金が香港株を買い付ける動きは明らかに低下した。半期決算に伴い、中国本土資金による香港株の買付け意欲が強くなるかどうかに留意しておきたい。中国本土では、深セン・香港ストックコネクト(深港通)を通して、保険会社の運用資金が香港株を買い入れることが認められ、新しい措置が香港株に資金をもたらすであろう。現在、上海・香港ストックコネクト(滬港通)を通じて、1,700億元人民元を超える保険会社の運用資金が香港株を買い入れている。中国本土による香港株への投資チャネル開放は、アメリカによる量的緩和解除によるダメージを緩和するであろう。

ハンセン指数の上半期における   最高値と最安値は、それぞれ、26,090ポイントと21,883ポイントであり、その変動幅は4,200ポイントであった。例年、ハンセン指数の年間変動幅は4,000から5,000ポイントに達すれば、1年の変動需要を十分満たすものである。もし、ハンセン指数の今年の変動幅が5,000ポイントに達するならば、ハンセン指数の最高値はおおよそ26,000ポイントとなる。言い換えると、ハンセン指数が再度上昇するならば、27,000ポイント付近に重い抵抗線があろう。上半期、資金を獲得した人気銘柄はおしなべて大幅にハンセン指数をアウトパフォームした。第3四半期の香港株は引続き株式市場への投資ではなく、個別株式への投資になると予想され、株式銘柄ごとの強弱の差が大きい局面が継続するであろう。

 テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

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