株価指数先物の規制緩和は中国A株のトレンド回復を反映

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株価指数先物の規制緩和は中国A株のトレンド回復を反映

[2017年3月2日]

2017.2.22

中国本土は株価指数先物の取引規制を緩和し、先物の取引対象を1日20枚へ増加した。この規制緩和は、政府方が中国A株回復を認めていることが反映されており、この先の相場で変動が起きる可能性は高くない。先物の大口取引が2015年の株式市場暴落の元凶であったため、2015年のA株暴落の期間に、政府が続けざまに市場安定措置を実施したことで確実に多くの投資家から敬遠されてしまい、関連措置はA株の国際化に対しマイナス影響をもたらしたと言える。一年余りの調整期間の後、A株はほぼ秩序を取り戻しており、現在は株価指数先物の規制緩和に適切な時機と言える。突発的な事態が発生しない限り、政府は引き続き上場から撤退すると予想される。

株価指数先物の取引数が緩和されたことで、この先A株にまた2015年のような暴騰・暴落の市況が現れると懸念する投資家もいるが、これに対し、筆者は現段階で心配する必要はないと考えている。まず、株価指数先物の取引数が増加されたのはまだ20枚までだという点で、これは2015年の取引量であった1,500枚と比べれば、両者の差はあまりにも大きいため、レバレッジ取引で株価指数先物に再び2015年のような暴落が容易に起きることはないと見て取れよう。このほか、中国政府はすでに金融リスクの制御を今年の重点的なタスクとしており、言い換えると、今年の中国は引き続き脱・レバレッジを図るため、信用取引が増加しないよう厳しく規制される中、A株に過剰な投機熱は現れ難いだろう。

また、2015年の痛い経験から、政府は株価先物指数の規制緩和後の市況をしっかりと観察するはずだ。もし異常な動きを発見すれば、政府は迅速に措置を採択して対応すると予想される。このため、A株が再び大荒れとなる可能性は高くないと言えよう。そして、中国は今秋「第19回党大会」を開催するが、その内容は中国の指導者を交代するための大会であり、安定が何よりも優先となることから、中国政府は経済と人民の生活が「第19回党大会」の開催前に揺らいでしまうことを決して許さないだろう。つまり、秋までA株は安定したパフォーマンスが望めるということだ。

短期的には、市場の焦点は来月開催の両会(人民代表大会・政治協商会議)となる。前回の第17回両会を振り返ると、A株が両会前に上昇する確率は非常に高く、再び「両会市況」となるか否かに注目。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。

 

 

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