香港株は大時代の高値28,588ポイントに挑戦

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香港株は大時代の高値28,588ポイントに挑戦

[2017年10月11日]

8カ月続伸後後、9月のハンセン指数はもうひと伸びできず、月全体で410ポイントの累積下落となった。月間で下落幅をつけたものの、9月末のハンセン指数は年内の高位より大幅に低いということはなく、相場が依然として強勢であることを反映している。10月に入り、どのような要因に注意すべきとなるだろうか?

 

中国本土は10月18日に中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)を開催するため、中国政府の人事異動が国際的な焦点となっている。第19回党大会開催まで、安定維持が基調となろう。党大会終了後は、中国本土の政治・経済の情勢は新たなページが開かれ、政治明朗化が経済発展の後押しとなるだろう。今年に入ってから、中国本土の企業はおしなべて好調な業績を出して来た。業績が回復する中、中国A株相場はまだ低く遅れをとっており、中国本土の株式市場は第4四半期の業績によって評価が回復となるかもしれない。10月に入り、企業は相次いで四半期業績を発表しており、業績に根底から覆すような変化がない限り、好材料となって中国・香港の株式市場に牽引動力をもたらす見込みがある。

10月は株式市場に災難が多い月と言われ、今月の投資情緒は株式市場危機への懸念から影響を受けるかもしれない。世界を総合的にみると、経済問題が株式市場に危機を誘発する可能性はすこぶる低いため、グローバルの経済パフォーマンスは安定的だ。経済要因と比べると、地政学的局面の変化が株式市場の危機を誘発する可能性の方がより大きいと言えよう。ここ数ヶ月、米朝関係は非常に緊迫しており、双方の口げんかはヒートアップを続けている。金融市場では両国が開戦する可能性はないと予想しているものの、万一銃が暴発すれば、情勢が急速に悪化し、突然の開戦は十分に全世界の株式市場に危機を誘発することになろう。重大なマイナス要因の発生を前に、災難月である10月が株式市場に及ぼす影響は実際的よりも心理的なものが大きい。

米国は10月からバランスシートを縮小するが、これにより世界的に資産の再配置が起こる可能性に注意が必要だ。バランスシート縮小および年末の米利上げ予想が共に影響する中、最近の米ドルは強勢に転じ、米ドル為替指数は96の水準へ反発上昇の可能性がある。従来的には、米ドル強勢は米国株に有利であるが、新興国市場には不利となる。総合的に言うと、香港の株式市場は底堅く、また今のところ重大なマイナス要因も見られないため、10月のハンセン指数は28,588ポイントのレジスタンスラインに挑戦する見込みがありそうだ。

 

テンガード ファンドマネージメントディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

パトリック・シャム

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