中国は軍需産業の証券化を加速

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中国は軍需産業の証券化を加速

[2015年10月28日]

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9月3日に行われたパレードで、中国は大量の新型兵器を公開し、そのシーンは人々にインパクトを与えた。パレード開始前に、習近平国家主席は軍力30万人の削減を発表したが、軍縮するとは言え、米国からの封じ込めや日本からの挑発、南シナ海での絶え間ない紛争に直面するなか、国家の安全維持はなおも中国政府の重要任務となっている。今回の軍縮はこの先の兵力精鋭化の採択を意味しており、軍隊の近代化推進が中国政府の重要任務となっていることから、軍縮が軍需産業の成長を減退させることでは決してなく、明らかに産業を新たな段階に推し進めようとしているのだ。

技術が進歩する現代世界において、一国家の軍事力は軍事技術の高さが主導するようになり、軍人数の多寡は副次的になりつつある。軍事大国となるべく、中国は引き続き大量のリソースを供給して軍事技術の発展を後押ししなければならない。こういった大規模な研究開発に対応するため、中国政府は軍需産業の証券化を加速するよう求めている。現在、中国の10大軍需産業グループにおける資産の証券化は3割ほどとなっているが、政策が後押しとなって、この先はさらに割合が増えるだろう。

軍需産業の証券化は投資市場にもたらす好機も小さくない。リソース注入や、再編などの改革概念が下支えし、中国・香港の両エリアにおける軍需産業株は投資家の投機対象となっている。中国本土と比べ、香港の軍需産業銘柄はさほど多くなく、ごくわずかな銘柄が軍需産業資産を保有している。軍需産業の証券化という目標を実現するため、この先より多くの企業が政府からの注入リソースの獲得や、グループ内の再編を進めることが予想される。

ただし、軍需産業は国内でも非常にデリケートな分野であり、国家機密の漏洩を防ぐため、最先端テクノロジーに関連する軍需産業資産を上場企業に含めるのは難しいだろう。一方の香港株式市場は全世界に開かれていることから、外資の参与率が非常に高いため、中国政府は最先端技術の軍需産業資産が外資保有となることをまだ楽観していない。このため、中国本土と比べ、香港上場の軍需産業企業に、最先端技術の軍需産業資産を注入する可能性はより低くなると見られる。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

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