従来型産業に有利な米共和党政権

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従来型産業に有利な米共和党政権

[2016年12月29日]

 

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米共和党は8年間にわたり失われていた執政権を取り戻すことになる。共和党政権下において、今後4年の米国の政治形勢は激しい変化に見舞われるであろう。その原因は、共和党が伝統的な厳しい手段で国際問題を対処する傾向にあることだ。レーガン時代は、米ソ冷戦があり、世界の政局が不安定な時期にあった。ブッシュ・シニアとブッシュ・ジュニアの大統領時期には、前後してイラクとアフガニスタンでの開戦、そして、2001年には911テロが発生した。トランプ氏はプーチンに友好的ではあるものの、共和党政権が、中国・ロシアとの関係を本当に改善出来るかどうかは、まだまだ不明瞭だ。大統領選挙キャンペーン中に、トランプ氏の排他的発言が多くの人びとの怒りを買った。もし、トランプ政権において排他的政策が実施されれば、米国及びその影響を受ける国の人々との関係は退行していくであろう。

経済政策においては、共和党は大企業をサポートする傾向がある。トランプ氏が提案している減税政策は、共和党の一貫したスタイルに沿ったものである。この他、共和党は軍需産業、石油などの伝統産業の発展をサポートしている。ブッシュ・ジュニアの大統領任期中に、原油価格が大幅に高騰したが、その後2008年にようやく高騰は収まりを見せた。原油価格の大幅な高騰と共和党の伝統的産業へのサポート、そしてブッシュファミリーの背景には一定の関係がある。共和党の伝統に従い、トランプ氏は伝統的産業の発展をサポートすることを既に明言している。トランプ政権下では、石炭、石油などの資源価格は今後4年上昇を見せるであろう。対照的に、近年の発展がもっとも盛んなテクノロジー産業はプレッシャーを受けるかもしれない。トランプ氏の大統領選勝利後、テクノロジー株は一度落ち込んでおり、トランプ氏当選をきっかけにテクノロジー株の保有を減らしたファンドマネージャーもいる。これらの現象は、トランプ政権下でのテクノロジー産業に対し、マーケットが警戒心を抱いていることを示してい

米国は間もなく共和党政権に戻る。この政権交代に直面し、アメリカの政治・経済の形勢は変化を免れることはできないはずだ。政治・経済情勢が変化するにつれ、私たちの投資の考え方も変化させる必要がある。オバマ時代での考え方は、もはや通用しなくなるだろう。

テンガード ファンドマネージメント ディレクター パトリック・シャム 
(筆者本人は香港SFCライセンスホルダーであり、上述の株式を保有しておりません。)

 

 

 

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