政策のコンビネーション・パンチにより、香港ハンセン指数は「集中治療室入り」

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政策のコンビネーション・パンチにより、香港ハンセン指数は「集中治療室入り」

[2021年8月5日]

今年の香港ハンセン指数は「呪縛」に陥ったかのように、米国や中国の株式市場とは一線を画し、下落には追従しても、上昇には追従しないという状況となっている。米NYダウ平均株価が35,000の壁を突破し、中国成長企業市場(GEM)指数が2015年の高値近くまで反発した一方で、香港ハンセン指数は今年の上昇分が7月にすべて帳消しに。また、暗い話題が多い中で、テクニカルでは弱気相場に突入しそうだ。

中国本土の法規制に関する不確実性が続き、香港ハンセン指数の痛みが長引いている。昨年11月に中国アリババグループ傘下のアント(Ant Group/螞蟻集団)が計画していた巨大な新規株式公開(IPO)が「頓挫」した直後、中国政府はインターネット大手に対して独占禁止法の調査を開始した。時を経て、中国の市政管理局は独占禁止法の調査をやめなかっただけでなく、取締り範囲を国家安全保障レベルにまで拡大し、プラットフォーム融資、ネットワーク・データ・セキュリティ、海外上場等に関する要件を強化し、潜在する政治的不確実性により、内外の資本が徐々に流出していった。このようなコンビネーション・パンチによって、ハイテク銘柄株式はひどく傷ついてしまった。

また、中国政府は、「自国を主とし、安定性を重要とする」金融政策を主張している。もし、急速な経済の悪化がなければ、今年も市場の流動性はゆるすぎず、きつすぎない状態が続くだろうと述べている。7月には、中国の中央銀行は預金準備率を0.5ベーシスポイント引き下げ、何兆もの流動性を提供した。しかし、さらなる調査によると、下半期には毎月多額の中期貸付金(MLF)が満期を迎える。そして、今回の引き下げで提供された流動性は、8月の中期貸付金が満期を迎え、返済される際に完全に相殺され、その後の期間は、多額の資金返済が続く。もし、中国の中央銀行が金融政策で対応し、ヘッジしなければ、米国よりも早い量的緩和縮小となり、株式市場では大幅な調整が避けられないだろう。したがって、下半期は、中国の中央銀行が金融政策を緩和するかどうかに細心の注意を払う必要がある。

香港ハンセン指数は4ヶ月間横ばいで推移しており、材料が尽きているので、いずれは失速するだろう。下半期に入っても政策による不確実性が残っており、また、7月末には市政府規制当局がインターネット産業に対する6カ月間の取り締まりの開始を発表した。現在、ハイテク・インターネット銘柄の株価が浮上してきていても、今後数ヶ月間で好転することは難しい。また、政策のニュースによっていつでも株価が影響を受ける可能性がある。中国と海外からの資金は、年明け後から香港株の持ち高を減らし続けており、教育関連銘柄に関するニュースは外国人投資家の株式売却に拍車をかけている。今後に香港株が再び上昇トレンドを取り戻すには、中国から資金が再び流入し、市場を支えるのを待つことになりうる。

メリー・ウー

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